なにわ筋線に阪急電車乗り入れ。線路幅の違いはどうする?

てつトピてつブログ路線車両

大阪都心を南北に通る計画線の「なにわ筋線」。JR西日本と南海電車が、関西国際空港(関空)へのルートとして新大阪駅~「うめきた」~難波地区で計画しているなにわ筋線に、阪急電車も乗り入れることが3月16日に報じられました。

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なにわ筋線の計画について

なにわ筋線は、JR大阪駅北側の再開発地区「うめきた」から、なにわ筋の地下を通って、JR難波駅・南海難波駅へ至る新線の計画線です。なにわ筋は、地下鉄四つ橋線が通る四つ橋筋からさらに西側に並行する大通りです。

うめきた新駅は、現在の梅田貨物線を地下化した上でなにわ筋線との分岐点に設置し、なにわ筋線からは梅田貨物線を通って新大阪駅までの直通が計画されています。

なにわ筋線ができると、梅田~関空間は現在の約1時間から40分以下に時間短縮(20分程度)されるとしています。開通は2030年(平成42年)を目指すとしています。

なにわ筋線への阪急乗り入れ

なにわ筋線自体は以前から構想されていましたが、3月16日の報道では、なにわ筋線に阪急電車が乗り入れる計画があると報じられました。大阪府・大阪市・JR西日本・南海・阪急の5者で3月内(平成28年度内)で合意するようです。

計画では、十三駅~うめきた新駅まで阪急が地下の新線を建設するようです。

さて、ここで問題が発生します。JR・南海と、阪急では、線路の幅が違うからです。

阪急新線からなにわ筋線への接続方法

JRと南海の線路幅は1067mm(狭軌)、阪急は1435mm(標準軌)です。なにわ筋線を3線/4線化する方法もありますが、この方法で阪急電車を関空まで直通させるのは、ホームやポイントなどハード面の設備が複雑になりすぎて費用が莫大になると思うので、さすがに現実的ではないです。

そのため、阪急新線を、

  1. 狭軌で建設し、なにわ筋線に直通させる。十三駅でのりかえ。
  2. 標準軌で建設し、既存の阪急の路線に直通させる。うめきた新駅でのりかえ。

このどちらかになります。読売(下記資料)の報道では十三に地下新駅と書いているので1番だけを挙げていますが、産経(同)の報道では1番を挙げつつも2番の案も匂わせています。

阪急新線は標準軌か? 狭軌か?

しかし、上で書いたなにわ筋線の計画では、うめきた新駅では梅田貨物線(現在、「はるか」が走っている新大阪~西九条間)が合流・分岐します。狭軌線がY字で分岐しているところに、さらに標準軌線が合流するのは、平面交差・立体交差のどちらにしても複雑な構造(配線)になります。

そうすると、阪急新線も狭軌で建設する方が安上がりな気がします。

なにわ筋線乗り入れに垣間見る阪急の野望?

このようなことから、なにわ筋線に接続する阪急新線は、JR・南海と同じく狭軌になるのではないでしょうか。

阪急新線の区間は十三〜うめきた新駅間。今でも新大阪〜十三間の免許は持っていますが、JRがなにわ筋線を新大阪から走らせる以上、別ルートとはいえ阪急も新大阪から走らせるのをJRはよく思わないでしょう。

かつて堺筋線において、阪急と南海でどちらに直通させるか綱引きした結果、現状のように阪急がいわば「勝ち」ました。なにわ筋線は南海が難波から梅田に通します。そこに阪急が乗ってきたのは、ミナミへの渇望か、それともキタの死守の表れか。新大阪に乗り入れの代わりに、なにわ筋線乗り入れに阪急の野望が垣間見えた気がします。

<参考資料>

過去のなにわ筋線関連の記事はこちらからどうそ。

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