東急電鉄が田園都市線向けに新型車両・2020系を導入することを発表しました。
また2017年4月21日には、田園都市線・大井町線・世田谷線でダイヤ改正を行うとも発表しました。
さらに別の発表で、大井町線の急行が2017年度下期から7両編成に増車されることも発表されました。
17.10.14追記 10月12日に、大井町線用新型車両・6020系の導入が発表されました。詳しくは下記より。本記事(追記部分以外)は2017年3月23日時点での内容(予想を含む)です。

18.3.25追記 2020系のデビューが2018年3月28日となりました。最後部に追記しました。
新型車両2020系の概要
2020年の東京オリンピック、2022年の東急創業100周年に向けて、田園都市線により親しみを感じてもらえるように2020系と命名しました。2020系は、東急が目指してきた美しい生活環境
の実現のために、沿線の街や駅と調和
するよう、親しみと新しさを感じるような外観・室内空間にする、としています。
まずは2018年春に10両3編成(計30両)を導入。その後も順次導入の予定です。車両の外観イメージと内装イメージは、最下段の参考資料の中にあります。
2020系の車内の特徴
車内設備の特徴として、まず座席にはハイバック仕様のシートと導入して、座り心地を改善するとしています。
ハイバック仕様のシートで近いものとしては、先日25日から東横線に乗り入れを開始した西武40000系(S-TRAIN)のロングシート時のものが近いでしょうか。下記参考資料内のイラストでは、西武40000系ほど高くはないですが(40000系でヘッドレストにあたる部分がない)、同じようにドア窓の下端より背もたれ上端が高くなっています。
他には、
- ナノイー空気清浄機の設置とエアコン能力の向上
- ドア上・座席上に液晶ディスプレイ(デジタルサイネージ)を設置
- 全車両にフリースペース(車いす・ベビーカー向けのスペース)を設置
- 荷棚の位置を従来より低い位置に変更
- 車内に防犯カメラを設置
などが資料で挙げられています。
2020系の機器面の特徴
モーターの低騒音・高効率化や、次世代半導体素子を使用した制御装置、車内照明やヘッドライトにLEDを採用します。
これにより、現在でも主力の8500系と比較して、
- 車外騒音が約10dB減少
- 消費電力が約半分に
なるとしています。
2020系登場による既存車両の動向
2020系の導入は、上のハード性能では8500系と比較しているので、将来的には8500系の置き換えを念頭に置いているのは間違いありません。
しかし、2018年春に3編成導入としています。3編成といえば、現在ある2000系の編成数と同じです。2000系は3編成とも東武直通が非対応なので、8500系ほど古くはありませんが、もて余し気味です。
そのため、2020系導入時は、まず2000系から置き換えていくことも予想されます。奇しくも系列名も、2020系は2000系の後継であるかのようです。
2000系はその後どうなるかわかりませんが、
- 大井町線などに転属
- 他社へ譲渡
- 廃車
が考えられます。
田園都市線の8500系の置き換えは、まず2000系を2020系に置き換えたのちになるのではないでしょうか。いずれ田園都市線の車両は5000系と2020系の2系列になると考えられます。
2000系の大井町線転属の可能性
上に挙げた中で、1番は中間車の先頭車化改造が必要になりますが、10両編成3本を5両編成(大井町線各停用)6本に組み換えると、現在大井町線で走っている8500系に置き換えられます。
経年の高い8500系は、まず2000系を大井町線に転属させた上で、大井町線からなくしていくことも考えられます。個人的には、これが最も可能性が高いと思っています。
2000系の他社譲渡の可能性
2000系は車齢が30年にもなっていないので、そのまま譲渡される可能性は少ないのではないでしょうか。他社に譲渡するにしても、やはり大井町線に2000系を転属させた上で、大井町線の8500系を他社に譲渡することの方がいいように思えます。
8000系・8500系は、今までに伊豆急・秩父鉄道・長野電鉄に譲渡されていますが、2018年以降に譲渡される可能性が最も高いのは秩父鉄道ではないでしょうか。元都営三田線6000形の5000系は古くなってきているので、その置き換えとして追加で譲渡されるかもしれません。長電は湯田中乗り入れ用に抑速ブレーキを追加すれば、譲渡もあり得ますが、追加で装備するのは難しいでしょう。伊豆急はグループ内ですが8000系で置き換えがそろったので可能性は低いでしょう。
4/21のダイヤ改正について
直通する東武線のダイヤ改正に合わせて、田園都市線のダイヤ改正も実施されます。さらに田園都市線に連動して大井町線・世田谷線でもダイヤが改正されます。
あまり大きく変更されるわけではないですが、早朝の時間帯で列車が増発されます。
特に、現行の長津田5:05発の初電(各駅停車)が急行に変わり、渋谷には現行より10分早く着けるようになります。急行の停まらない駅のために長津田5:00発の各駅停車が運転され、鷺沼で急行に接続します(資料のニュースリリースでは、初電が5:05発から5:00発に繰り上がり、急行が増発されると案内されています)。
大井町線急行の7両編成化
ダイヤ改正の発表とは別個に、混雑緩和策も発表され、その中に大井町線の急行の7両編成化もありました。
現在は6両編成で運転していますが、大井町・旗の台・自由が丘でホーム延伸工事を行っていて、2017年度下期から延伸したホームで急行の7両運転を開始するとしています。
【3月25日追記】3月28日に2020系がデビュー
2020系の運転開始が2018年3月28日(水)となりました。3月24日の特別列車の運転と同時に明らかになったようです。
2020系は3編成が導入済みで、第1編成の2121編成と第3編成の2123編成にはデビュー記念のヘッドマークがつけられています。また2121編成には、東武非直通車を示す○にKのマークがついている、いわゆる“サークルK”編成になっています。
田園都市線は3月30日(金)にダイヤ改正を実施しますが、ダイヤ改正前の28日・29日は朝に1往復程度運転の予定で、3月30日のダイヤ改正より本格的に運転するようです。
※ 田園都市線・半蔵門線のダイヤ改正についてはこちらから

<参考資料>
- 東急電鉄 ― 2018年春、田園都市線に新型車両「2020系」を導入します 更なる快適性と安全性を追求し、沿線の街や駅と調和した車両を目指します(PDF 378KB/2017年3月17日)
- 東急電鉄 ― 4月21日(金)に田園都市線・大井町線・世田谷線でダイヤ改正を実施(PDF 157KB/2017年3月22日)
- 東急電鉄 ― 田園都市線および大井町線の朝ラッシュ時の混雑緩和施策を実施 ピーク前増発や大井町線急行7両編成化など、都心方面の輸送力を増強するとともに、移動手段、働く場所、乗車時間の多様な選択肢を提供します(PDF 285KB/2017年3月22日)
- マイナビニュース ― 東急2020系・6020系、新型車両3/28デビューへ – 特別列車も登場(2018年3月24日)
- 乗りものニュース ― 東急田園都市線を特別列車走る! 16年ぶり新車2020系は「静か」 下車は非常はしごで(写真36枚)(2018年3月24日)