新幹線で新神戸駅まで行こうときっぷ(乗車券)を買うと、きっぷには「神戸市内」と書かれていることがあります。
この「神戸市内」とはどこの駅のことを指すのか、JRのきっぷでの「神戸市内」について解説します。新神戸駅限定の特例ルールもあります。
JRの「神戸市内」の範囲
JRのきっぷに表示されている「神戸市内」は、実際の神戸市に位置するJR線の駅とほぼ一致しますが、一部違っているところもあります。
JRの「神戸市内」の駅は、具体的には下の地図の中で、白丸になっている駅です。
神戸駅だけ二重丸(◎)になっていますが、これはJRの「神戸市内」の駅の中心となる駅を表しています。
神戸駅から一度も市外に出ないことが「神戸市内」の駅となる条件です。JR宝塚線(福知山線)の道場駅は、行政上での神戸市内(北区)にありますが、神戸駅からJRだけで行くには一度市外に出ないと行けないので、「神戸市内」の範囲には含まれていません。
地図では、新神戸駅から三ノ宮駅、元町駅、神戸駅、新長田駅が点線でつながっています。「神戸市内」発着のきっぷを持っていても、新神戸駅から新幹線を利用するときに、新神戸駅と点線でつながっている各駅との間では改札外で連絡(のりかえ)できる特例があります(詳しくは後述)。
神戸市内の駅の目印
Photo by そらみみ (Own work, 2014) [CC BY-SA 4.0]
新神戸駅(山陽新幹線)の駅名標(14-10-08)
JRの「神戸市内」の駅には、ホーム上に目印があります。
写真は新神戸駅の駅名標です(駅名標はホームに設置されたその駅名や次の駅が表示された看板です)。
駅名標の右上に、四角囲みで「神」と表示されているのが見えると思います。
これが「『神戸市内』の駅です」と案内している目印です。
駅の外には表示はありませんが、「神戸市内」の範囲内の駅できっぷを買おうとすると、条件を満たしていれば、ほぼ自動的に「神戸市内」からのきっぷになります。
通常のきっぷとの違い
券売機で買う近距離のきっぷでは、「三ノ宮→120円区間」などと書かれています。たいていは「三ノ宮」駅などと具体的に表示されていますが、条件を満たすと「神戸市内」発着のきっぷとなります。
「神戸市内」発着となる条件
「神戸市内」の中心となる神戸駅から200キロを超えた距離(正確には営業キロまたは運賃計算キロ)にある駅と、「神戸市内」の駅との間のきっぷが対象になります。
神戸駅から200キロ超とは、主な路線では以下の駅と、そこから先の駅になります。
- 山陽本線・山陽新幹線:福山駅
- 東海道本線:木曽川駅
- 東海道新幹線:名古屋駅
- 伯備線(倉敷経由):備中川面駅
- 予讃線・松山方面:詫間駅
- 予讃線・高松方面:鴨川駅
- 土讃線・高知方面:善通寺駅
- 山陰本線・米子方面(姫路・和田山経由):浜坂駅
- 山陰本線・米子方面(姫路・智頭急行線経由):大山口駅※1
- 紀勢本線(大阪・天王寺経由):紀伊田辺駅
- 北陸本線(近江今津経由):王子保駅
※1:別途、智頭急行線の運賃(おとな1,300円)が必要です
「神戸市内」のどの駅でも乗下車可能
「神戸市内」と表示されたきっぷは、「神戸市内」のどの駅から乗って(下りて)もOKです。
「神戸市内→○○」のきっぷを持っていれば、神戸駅・三ノ宮駅など、「神戸市内」のどの駅からでも乗ることができます。
「神戸市内」発着のきっぷ(乗車券)の値段は、神戸駅からの距離で決まります。「神戸市内」の範囲内のどの駅からでも(神戸駅と)同じ値段です。
同じような範囲は他にはどこにある?
このようなルールは「特定都区市内」制度といい、「神戸市内」を含めて全国で11ヶ所あります。
特定都区市内制度について、適用条件、途中下車のルールなど、くわしくは「特定都区市内制度とは?」のページへどうぞ。

「神戸市内」だけの特別ルール
「東京都区内」などの他の特定都区市内制度のある都市は、中心となる駅とエリアないの各駅がつながっていますが、新神戸駅は「神戸市内」のどの駅ともJR線で市内で接続していません。そのため、「神戸市内」だけの特別なルールもあります。
新神戸駅と在来線各駅との連絡
「神戸市内」発着のきっぷの場合、本来ならば発着地以外の「神戸市内」の駅で途中下車はできません。
しかし新幹線利用時に、新神戸駅と、三ノ宮駅・元町駅・神戸駅・新長田駅を当日中にのりつぐ場合に限り途中下車することができます。
例えば、「神戸市内→東京都区内」のきっぷを持っていて、須磨駅から乗車した場合です。三ノ宮駅で一度改札から出て、地下鉄で新神戸駅まで行き、再度改札を入って新神戸駅から新幹線で東京駅へ向かうことができます。三ノ宮駅以外でも、元町駅・神戸駅・新長田駅での接続も同様です。
また反対方向に、「神戸市内」行きのきっぷで新神戸駅まで新幹線を利用し、三ノ宮駅から再度JR線で須磨駅まで行く場合も同様です。
ただし、新神戸駅と、途中上下車できる各駅間との地下鉄などの運賃は、「神戸市内」発着のJRきっぷとは別に必要です。また、この条件は新神戸駅と三ノ宮駅・元町駅・神戸駅・新長田駅でのみ適用で、他の駅(兵庫駅など)では適用されません。のりつぎは当日中にする必要があります。