京都への観光やビジネスで、京都駅まで行こうときっぷ(乗車券)を買うと、きっぷには「京都市内」と表示されていることがあります。
このJRの「京都市内」と実際の京都市内との違いや、通常のきっぷとの違いなど、JR「京都市内」の駅についての解説です。知っておけば、嵯峨野・嵐山など行くときにちょっとラクになるかも。
JRの「京都市内」の範囲
JRのきっぷに表示されている「京都市内」は、実際の京都市に位置するJR線の駅とほぼ一致します。
JRの「京都市内」の駅は、具体的には下の地図の中で、白丸になっている駅です。
(左上の+・-ボタンでマップの拡大・縮小ができます)
- 2019年3月16日に、嵯峨野線の京都~丹波口間に新しい駅「梅小路京都西」駅が開業しました。
京都駅だけ二重丸(◎)になっていますが、これはJRの「京都市内」の駅の中心となる駅を表しています。
保津峡駅は京都市内にありませんが、現在の線路に切り替わる以前は京都市内に位置していたので、現在位置(亀岡市)に移転後もひきつづき「京都市内」の駅の範囲に入っています。なお、旧・保津峡駅は、現在は嵯峨野観光鉄道(嵯峨野トロッコ列車)のトロッコ保津峡駅になっています。
京都市内の駅の目印
Photo by そらみみ (2013) [CC BY-SA 3.0]
京都駅(JR京都線/琵琶湖線)の駅名標(13-11-19、改変あり)
JRの「京都市内」の駅には、ホーム上に目印があります。
ホームにある駅名が書かれた看板・駅名標には、右上に「京都市内」の駅を表す、四角囲みの「京」の字のマークがあります。
これが「『京都市内』の駅です」と案内している目印です。
ホーム以外には表示がありませんが、「京都市内」の駅できっぷを買おうとすると、条件を満たしていれば「京都市内」からのきっぷが発券されます。
通常のきっぷとの違い
券売機で買う近距離のきっぷでは、「京都→120円区間」などと書かれています。たいていは「京都」駅などと具体的に表示されていますが、条件を満たすと「京都市内」発着のきっぷとなります。
「京都市内」のどの駅でも乗下車可能
「京都市内」と表示されたきっぷは、「京都市内」のどの駅から乗って(下りて)もOKです。
「京都市内→○○」のきっぷを持っていれば、京都駅・嵯峨嵐山駅など、「京都市内」のどの駅からでも乗ることができます。
「京都市内」発着のきっぷ(乗車券)の値段は、京都駅からの距離で決まります。「京都市内」の範囲内のどの駅からでも(京都駅と)同じ値段です。
「京都市内」発着のきっぷを持っていれば、例えば嵯峨野の玄関口・嵯峨嵐山駅や、伏見稲荷大社最寄りの稲荷駅へ直接行けます。京都駅でJRを降りてバスなどで向かう必要がなくて済みます。
「京都市内」発着となる条件
「京都市内」の中心となる京都駅から200キロを超えた距離(正確には営業キロまたは運賃計算キロ)にある駅と、「京都市内」の駅との間のきっぷが対象になります。
京都駅から200キロ超とは、新幹線では豊橋駅と岡山駅。在来線を含む主な路線では以下の駅と、そこから先の駅になります。
- 山陽本線:瀬戸駅
- 山陽新幹線:岡山駅
- 東海道本線・東京方面:三河塩津駅
- 東海道新幹線・東京方面:豊橋駅
- 山陰本線(亀岡経由):居組駅
- 山陰本線(姫路・智頭急行線経由):下北条駅※1
- 紀勢本線(新大阪・天王寺経由):南部駅
- 北陸本線(近江今津経由):能美根上駅
- 高山本線(岐阜経由):焼石駅
- 中央本線(名古屋経由):釜戸駅
※1:別途、智頭急行線の運賃(おとな1,300円)が必要です
同じような範囲は他にはどこにある?
このようなルールは「特定都区市内」制度といい、「京都市内」を含めて全国で11ヶ所あります。
特定都区市内制度について、適用条件、途中下車のルールなど、くわしくは「特定都区市内制度とは?」のページへどうぞ。