大阪市内の中心部を南北に貫くなにわ筋線の建設について、自治体の負担額が決まったという報道が流れました。
まだ建設が始まったわけではないですが、着工に向けて一歩前進したと言えるのではないでしょうか。
府・市が590億円ずつ負担
なにわ筋線の総事業費は3,300億円。
このうち、自治体負担分1,180億円を大阪府と大阪市が同額の590億円ずつ負担することになったと、報道各社が伝えました。
建設はJR東西線の線路を保有する第3セクターの関西高速鉄道が行います。日経の報道では、JR西日本と南海電鉄が線路使用料を関西高速鉄道に払う、「上下分離方式」にすることも決定と報じています。
産経の報道では、残りの事業費を国の補助金や鉄道会社の負担とも報じています。また、今年度中に環境アセスメント手続きを始めるとも報じています。
なにわ筋線計画は、事業決定したものの事業費の負担割合が問題となっていました。今回、自治体負担額が決まったことで、事業計画が一歩前進したと言えそうです。JR東西線やおおさか東線の負担割合も府・市で同額だったこと、関西高速鉄道がJR東西線の整備主体になった実績を踏まえたようです。
負担割合をグラフで表すと、上のようになります。今回自治体負担分が決まったとはいえ、巨額となる残りの2,120億円分が焦点になりそうです。
何はともあれ、2031年春の開業に向けて進むのを期待しています。
<参考資料>
- 日本経済新聞 ― なにわ筋線、大阪府市の負担同額に 590億円ずつ(2017年9月19日)
- 産経WEST ― なにわ筋線、既存三セク「関西高速鉄道」を整備主体に 府市は590億円ずつ負担へ(2017年9月19日)
過去のなにわ筋線関連の記事はこちらからどうそ。
- 【本記事】なにわ筋線事業費の自治体負担額が決定、着工へ一歩前進(2017年9月19日)
- 阪急がなにわ筋線への直通を公の場で表明(2017年6月14日)
- 新大阪連絡線で阪急新大阪駅誕生? ラピートのJR新大阪乗り入れ? ~なにわ筋線と新大阪駅をめぐる話(2017年5月26日)
- なにわ筋線の計画が正式に発表。4駅とルートの詳細について(2017年5月24日)
- なにわ筋線の車両と列車についての推測(2017年3月28日)
- なにわ筋線に阪急電車乗り入れ。線路幅の違いはどうする?(2017年3月18日)