仙台駅までのJRの長距離きっぷ(乗車券)を買うと「仙台市内」と書かれていることがあります。
この「仙台市内」の範囲とはどの駅までか、通常のきっぷとの違い、使い方など、JRのきっぷでの「仙台市内」について解説します。
JRの「仙台市内」の範囲
JRのきっぷに表示されている「仙台市内」は、実際の仙台市に位置するJR線のすべての駅です。
JRの「仙台市内」の駅は、具体的には下の地図の中で、白丸になっている駅です。
仙台駅だけ二重丸(◎)になっていますが、これはJRの「仙台市内」の駅の中心となる駅を表しています。
仙台駅を中心に、次の駅までの範囲が「仙台市内」の駅です。
- 東北本線(福島方面):南仙台駅まで
- 東北本線(盛岡・利府方面):岩切駅まで
- 仙山線:奥新川駅まで
- 仙石線:中野栄駅まで
市域が広い仙台市、市の西側の奥羽山脈の中にある仙山線の駅も「仙台市内」の駅になり、近くに温泉のある作並駅や、その西隣にあって山深い秘境駅ともされる奥新川駅も含まれます。
仙台市内の駅の目印
JR仙台駅の駅名標(2015.9.21撮影)
JRの「仙台市内」の駅には、ホーム上に目印があります。
ホームにはその駅の名称や隣の駅名が書かれた看板・駅名標があります。
この駅名標の右上に、四角囲みで「仙」と表示されているのがありますが、これが「『仙台市内』の駅です」と表示しているマークです。
乗る場合は、ホーム以外には表示がないのでわからないかもしれませんが、「仙台市内」の範囲内の駅できっぷを買うと、条件を満たしていればほぼ自動的に「仙台市内」からのきっぷになります。
通常のきっぷとの違い
券売機で買う近距離のきっぷでは、「仙台→140円区間」などと書かれています。たいていは「仙台」駅などと具体的に表示されていますが、条件を満たすと「仙台市内」発着のきっぷとなります。
「仙台市内」発着となる条件
「仙台市内」の中心となる仙台駅から200キロを超えた距離(正確には営業キロ)にある駅と、「札幌市内」の駅との間のきっぷが対象になります。
仙台駅から200キロ超とは、主な路線では以下の駅と、そこから先の駅になります。
- 東北新幹線・東京方面:宇都宮駅
- 東北本線・東京方面:野崎駅
- 常磐線(原ノ町経由):十王駅
- 磐越西線(郡山経由):塩川駅
- 羽越本線・秋田方面(山寺・新庄・余目経由):小砂川駅
- 羽越本線・新潟方面(山寺・新庄・余目経由):あつみ温泉駅
- 東北新幹線・新青森方面:いわて沼宮内駅
- 秋田新幹線・田沢湖線(盛岡経由):春木場駅
- 北上線(北上経由):横手駅
- 釜石線(花巻(在来線)経由):岩手上郷駅
- 釜石線(新花巻(新幹線)経由):足ケ瀬駅
- 山田線(盛岡経由):区界駅
- 花輪線(盛岡経由):松尾八幡平駅(別途、盛岡〜好摩間のIGRいわて銀河鉄道線の運賃(おとな650円)が必要です)
「仙台市内」のどの駅でも乗下車可能
「仙台市内」と表示されたきっぷは、「仙台市内」のどの駅から乗って(下りて)もOKです。
「仙台市内」発のきっぷの場合、仙台駅・作並駅など、「仙台市内」のどの駅からでも乗ることができます。
そのため、「仙台市内」までの往復のきっぷを持っていれば、
- 行きは作並駅で降りて温泉に泊まり、
- 翌日、中心部での出張業務を終えて仙台駅から新幹線で帰る、
あるいは、 - 翌日、野球を見て最寄りの宮城野原駅から帰る、
といったこともできます(別途、作並駅→仙台駅・宮城野原駅間やのきっぷは必要です)。
同じ「仙台市内」の駅では途中下車できない
きっぷのルール上、「仙台市内」の駅から乗り降りし、途中で別の「仙台市内」の駅で乗り降りする(途中下車)することはできません。一度「仙台市内」の駅から乗る(降りる)と、同じ「仙台市内」の駅で乗り降りできないという制約があります。
上の例では、「仙台市内→東京都区内」のきっぷを持っていて宮城野原駅から仙石線に乗り、仙台駅から新幹線に乗った場合、同じ「仙台市内」の榴ケ岡駅・仙台駅で途中下車することができません。
くわしくは「特定都区市内制度」のページで説明しています。
「仙台市内」発着のきっぷのねだん
「仙台市内」発着のきっぷ(乗車券)の値段は、仙台駅からの距離で決まります。「仙台市内」の範囲内のどの駅から利用しても同じ値段です。
同じような範囲は他にはどこにある?
このようなルールは「特定都区市内」制度といい、「仙台市内」を含めて全国で11ヶ所あります。
特定都区市内制度について、適用条件、途中下車のルールなど、くわしくは「特定都区市内制度とは?」のページへどうぞ。