全車グリーン車の豪華新型特急車両E261系が2020年春、伊豆方面へ登場。

てつトピ列車車両

JR東日本が伊豆方面へ向けて新たな観光特急列車を運行し、新型車両E261系を投入します。

伊豆の「本物の魅力」を発信する列車は座席が全車グリーン車の豪華仕様で、初採用となる独立2列シートの“プレミアムグリーン車”や麺専門の食堂車“ヌードルバー”を設置します。

運行開始は2020年春を予定。E261系投入で置き換えの可能性がある251系「スーパービュー踊り子」号の動向も注目となりそうです。

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1+1列のプレミアムグリーン車も! 全車グリーン車のE261系が2020年春、伊豆へ向けて運行開始

2018年5月8日(火)、JR東日本は伊豆方面へ新たな観光特急列車の運行を発表しました。

新型特急車両E261系を投入し、伊豆エリアの「本物の魅力」を世界に発信する列車になります。

E261系は座席が全車グリーン車となる8両編成で、伊豆方面の先頭車両はJR東日本で初となる1+1列の“プレミアムグリーン車”となります。グリーン個室や、麺専門の食堂車“ヌードルバー”も連結します。

E261系は8両編成2本の製造で、2020年春に東京・新宿~伊豆急下田間で運行を開始する予定です。

外装 ~伊豆の雄大な自然をイメージしたカラーリング

画像:JR東日本のプレスリリースより(PDF 770KB)

E261系の外装(エクステリアデザイン)は、伊豆の圧倒的で雄大な自然を表現した塗色となっています。

青・白・グレーの3色がテーマカラーで、側面を覆う紺碧色(青)は伊豆の海と空を、前面から屋根へ流れるホワイト(白)は伊豆の砂浜が太陽の光を受けて金色に輝く様子を、側面の窓周りのグレーは溶岩地形である城ヶ崎海岸の黒々とした岩石をイメージしています。

前面から屋根へかけてななめ上へ流れるカラーリングは、E353系などでも採用されている最近のトレンドとなるデザインで、E261系でも採用されました。

内装 ~天窓つきで開放的な車内

E261系は観光特急車両として、車窓から移りゆく景色を楽しめるように、各車両の側面上部の天井部分に“天窓”がつけられています。

天窓がついて上からも光が射しこんで開放的な車内になりました。発表では触れられていませんが、側面の窓も車窓を楽しめるよう大きいサイズのようです。

インバウンド対応として、各車両に大型の荷物置き場が設けられ、フリーWi-Fiサービスもあります。

また、全席に電源コンセントも設置されています。

トータルデザインは、「TRAIN SUITE 四季島」や山手線用E235系を手掛けた、奥山清行さんが代表を務める「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当します。ヌードルバーのプロデュースとデザインは、中村貞裕さんが代表を務める「TRANSIT GENERAL OFFICE」が担当。JR東日本では「TOHOKU EMOTION」の飲食プロデュースなどを手掛けています。

次からは、各車両ごとの特徴です。

1号車・プレミアムグリーン車

画像:JR東日本のプレスリリースより(PDF 770KB)

JR東日本で初となるプレミアムグリーン車で、1+1列の座席配置が最大の特徴です。独立シートですが、通路は山側※1に寄せられています。

シートピッチ(前後の座席間隔)は125cmで、グランクラスの130cmに迫る広いスペースがあります。

天窓と側面の窓からの開放的な車窓を楽しめるよう、荷物の収納スペースは座席の下に設けられています。そのため、おそらくは床が高くなったハイデッカー構造になっていると思われます。

床や壁面は落ち着いた雰囲気となる暗色となっています。

2~3号車・グリーン個室

画像:JR東日本のプレスリリースより(PDF 770KB)

現在の伊豆方面のフラッグシップ特急「スーパービュー踊り子」用の251系にもある4人用のグリーン個室は、E261系でも引き続き設置されます。

カフェをイメージした個室空間は、落ち着いてゆったりとくつろげるプライベートスペースになっています。

251系では4人用個室のみでしたが、E261系では新たに6人用個室も登場。2・3号車の両車両に2室ずつ設置されます。

4号車・ヌードルバー(食堂車)

画像:JR東日本のプレスリリースより(PDF 770KB)

麺料理専門の食堂車・ヌードルバーを4号車に設置。日本人が愛してやまない麺文化の素晴らしさと奥深さを、E261系による観光特急列車から世界に向けて発信します。

発表された写真からは、うどんやラーメンをベースにした創作麺料理がメニューに並びそうです。メニューは定期的に変更する予定で、月替わりか季節ごとに替わると予想されます。

ヌードルバーの車内は厨房が見えるオープンキッチンで、海側※1にカウンター8席、山側※1に4人掛けのテーブルが2卓あります。グリーン個室ではルームサービス(デリバリーサービス)も提供される予定です。

5~8号車・グリーン車

画像:JR東日本のプレスリリースより(PDF 770KB)

近年のJR東日本の在来線特急車両ではグリーン車でも普通車と同じ4列(2+2列)シートでしたが、E261系では快適な3列シートになりました。海側※1が2人掛け、山側※1が1人掛けです。

荷棚は座席の上になりますが、天窓から陽の光が降り注ぐよう、荷棚も光を通すガラス製です。

床や壁面の色は、プレミアムグリーン車とは対照的な、ナチュラルで明るい雰囲気になっています。

251系「スーパービュー踊り子」の今後

JR東日本251系 特急 スーパービュー踊り子3号 宮オオRE-1編成 クロ250-1 @新宿 17-06-03

JR東日本251系 特急 スーパービュー踊り子3号 宮オオRE-1編成 クロ250-1 @新宿 17-06-03

E261系の投入が発表されたため、現在の伊豆方面特急の主力・251系「スーパービュー踊り子」号の今後が注目されそうです。

「スーパービュー踊り子」号は平日3往復、土曜・休日は最大5往復運転し、251系は10両編成4本です。

E261系が2本の投入ということで、平日は1往復、土曜・休日は最大2往復の運転にとどまり、数の上では251系と「スーパービュー踊り子」号も残りそうです。

しかし2020年には251系も登場から30年となります。現在はライナー運用もあるとはいえ、基本的には観光向けなので、転用されずにそのまま引退も考えられます。251系が引退となると、不足する「スーパービュー踊り子」号のスジは「踊り子」号になるのが濃厚でしょうか。もしくはE259系による「マリンエクスプレス踊り子」号の運転が定番化するかもしれません。

E261系は全車グリーン車なので、そのまま「スーパービュー踊り子」号の分に充てると普通車の需要が不足してしまいます。その点でも「踊り子」「マリンエクスプレス踊り子」の運転本数が増えそうです。

「踊り子」号もE257系になる話正式に決まりましたし、2020年頃を境にして東海道線・伊豆方面の特急車両も代替わりしそうです。

伊豆方面観光特急列車とE261系の概要

今回JR東日本が発表した伊豆方面の観光特急列車とE261系についての詳細です。

あらまし

  • 車両形式:E261系
  • 製造数:8両編成×2本、計16両
  • 運行開始時期:2020年春(予定)
  • 運行区間:東京・新宿~伊豆急下田間
  • 編成定員:164名

編成内容

号車 座席 装備
↑伊豆急下田
1号車 プレミアムグリーン車
(定員20名)
荷物置き場
2号車 グリーン個室
(定員20名)
3号車 グリーン個室
(定員20名)
4号車 ヌードルバー
(着席定員なし)
5号車 グリーン車
(定員14名、車いす対応×2席含む)
荷物置き場
6号車 グリーン車
(定員36名)
荷物置き場
7号車 グリーン車
(定員30名)
荷物置き場
8号車 グリーン車
(定員24名)
荷物置き場
↓東京・新宿
←海側※1 山側※1

トイレについては詳細が発表されていませんが、発表資料にある編成図では2・3・7・8号車に設置されそうです。また5号車に多目的トイレと洗面台、AEDがありそうです。

※1:下り・伊豆急下田方面において、進行方向に向かって左が海側、右が山側です

18.5.17追記 E257系の東海道線導入が発表されました。リニューアルした上で「踊り子」号に使用されると思われます

「あずさ」「かいじ」もE353系に置き換え、「踊り子」へE257系転用
JR東日本長野支社が、7月より中央線の特急「あずさ」「かいじ」でE353系の運転開始を発表しました。 また、現在使用しているE257系は東海道線に導入することもわかりました。 E353系を9両編成7本導入、「あずさ」「かいじ」の一部...
<参考資料>

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