東急電鉄が2018年度の設備投資計画を発表しました。
2020系・7000系車両を製造し、池上線・東急多摩川線の旧型車両7700系を置き換えます。
他社と比較しても積極的に設置しているホームドアは、田園都市線渋谷駅など12駅に設置します。
また昨年発生した輸送障害の反省から、大規模な設備更新も実施します。
2020系と7000系を6本ずつ製造、7700系は置き換えで引退
車両の新製は、田園都市線用の2020系と池上線・東急多摩川線用の7000系をそれぞれ6本になる予定です。
7000系の製造は、同形式投入の当初の予定だった7700系を置き換えるためです。
7700系は、7000系の投入によりすべて置き換わり、引退する予定です。
2020系は6本製造、いよいよ東武線直通が始まりそう
東急2020系 急行 長津田行き 2121編成 クハ2021 @青葉台 18-03-28
2017年度末ギリギリともいえる3月28日に運転開始した2020系、今年度は6本(60両)が製造されます。
2020系の追加投入は、当初の計画通り2022年までに旧型車両を置き換えるためです。すでに投入された3本とあわせて合計9本になるので、田園都市線での存在感も増してくることでしょう。
2020系の全9編成で東武線に直通しないのは運用にも支障が出てくると考えられるので、今年度には東武線での訓練運転も始まるとも考えられます。
2019年春のダイヤ改正からは、いよいよ2020系の東武線直通も始まるかもしれません。
7000系を6本投入、7700系を置き換え
池上線・東急多摩川線には、両線用の車両・7000系を6本(18両)新製投入します。旧7000系から改造された7700系の6本すべてを置き換えます。
東急7000系 普通 蒲田行き 7104編成 クハ7304 @旗の台 17-09-10
7000系は2007年デビューの池上線・東急多摩川線専用の車両。投入当初は順次7700系を置き換える予定でしたが、日比谷線直通用だった1000系の転用により投入を一時中断していました。2017年より投入が再開されています。
東急7700系 普通 蒲田行き 7906編成 デハ7706 @御嶽山 17-09-10
7700系は旧7000系の車体を流行した改造車両。改造元の旧7000系は50年以上前に登場した車両で、車体だけならば50年超活躍してきましたが、ついに2018年度限りで引退となります。
ホームドアは田園都市線渋谷駅など12駅に設置
東急では2019年度までに東横線・田園都市線・大井町線の全駅にホームドアを設置する予定です。
2018年度では、田園都市線の渋谷駅など12駅に設置する予定です。
- 田園都市線:
渋谷・池尻大橋・桜新町・高津・梶が谷・たまプラーザ・あざみ野・長津田・つきみ野 - 大井町線:
自由が丘・九品仏・二子玉川
東急で最も混雑している駅といってもいい田園都市線渋谷駅にホームドアが設置されるのは、転落・接触防止に向けて安全面で大きな効果を発揮しそうです。
田園都市線地下区間を中心に大規模な設備更新
昨年発生した田園都市線地下区間での輸送障害により、その後の緊急点検の結果を反映した線路周辺の設備更新を行います。
点検方法の見直し・強化や、ハード面(電気・建築設備)の更新で老朽化などによる障害発生のリスクを未然に防止するとしています。
具体的には、次のような対策・工事などを実施する予定です。
- ハード面重要設備の二重化
- 点検方法・周期の見直し
- き電ケーブル短絡防止などの更新工事
また、輸送障害時における折返し運転用の設備を、用賀~二子玉川間に増設します。2020年度の稼働を予定しています。