京急電鉄が2018年度の設備投資計画を発表しました。
横浜駅など5駅のホームドア設置を進めるために、ドア数の異なる800形の廃車を前倒し、代わりに新1000形を新造します。
ホームドア設置により800形が引退。横浜など5駅でホームドア設置へ
京急電鉄は2018年5月9日(水)に2018年度の鉄道事業の設備投資計画を発表しました。
安全対策が中心となる総額約236億円を投じます。
転落・接触防止となるホームドア設置を進め、そのために支障となっている4ドア車両の廃車を前倒します。
そのほか、線路周辺の地震・防災対策、ホーム上屋延長などの駅改良工事、大師線地下化工事などを進めます。
次からは車両とホームドアに焦点を当ててみます。
800形の廃車が開始、置き換えとして新1000形を投入
ホームドアを設置するために、車両のドアの位置がそろっていないのはどの路線でも設置への支障となっていますが、京急では3扉車がメインの中※1、特に4扉車の800形が走っているため新たに設置ができない状況でした。
そこで、ホームドア設置の阻害要因となっている4ドア車両の廃車を前倒し、車両の新造を実施
することで、ホームドア設置へ向けて動きだしました。
廃車対象は4扉車の800形で、車両新造は新1000形を42両です。あわせて新1000形8両も更新します。
※1:2扉車の2100形は、ドアがそれぞれ車両の端の方にあるため、3扉車と比較してもホームドア位置のズレは少ないです
京急唯一の4ドア車・“ダルマ”こと800形が引退へ
京急800形 普通 品川行き 823編成 デハ823-6 @新馬場 18-05-05
ホームドアの設置を進めるために、京急では唯一の4扉車・800形の廃車前倒しが発表されました。
800形は6両編成が8本ありますが、後述する新1000形が42両製造予定なので、1本だけ残してほかはすべて2018年度内に廃車されそうです。残った1本も、長くはなく2019年度限りでの引退が予想されます。
今年度生き残る1本は、3月に引退した2000形の例から見ても、上の写真にあるリバイバルカラーの823編成が有力でしょうか。
片開きドア・前照灯1灯という往年の京急スタイルの車両として800形は最後の形式です。新1000形の投入で少しずつ数を減らしていくと思われるので、記録や乗車は早めがおすすめです。
新1000形を42両投入
京急新1000形 エアポート急行 新逗子行き 1209編成 デハ1216 @糀谷 18-03-28
2018年度の車両の新製は、約69億円をかけて新1000形を42両製造します。6両編成だと7本に相当します。
投入の目的が800形の置き換えと考えられるので、すべて6両編成で製造されると思われます。
写真はステンレス製ながら全面塗装となった17次車の1209編成(8両編成)。17次車導入時のニュースリリースで18次車以降も同様の仕様を予定していると書かかれているので、今年度投入の18次車も写真と同じステンレス全面塗装になりそうです。
また、新1000形のうち8両を更新するとも発表されています。1次車の8両編成1本、または同じく1次車の4両編成2本が更新となりそうです。
ホームドアは横浜駅など主要駅に設置へ
ホームドアの設置は、快特の停まる主要駅のうち計5駅で進めます。
- 京急蒲田駅
- 京急川崎駅
- 横浜駅
- 上大岡駅
- 羽田空港国内線ターミナル駅
この5駅で設置が完了すると、すでに設置されている羽田空港国際線ターミナル駅と合わせて6駅にホームドアが設置されることになります。
完了時期は明記されていないですが、ホームドアを含む「その他安全対策」におよそ4分の1となる約60億円を投じていることから、かなり重点的に進めようというのがわかります。
品川駅については予定に入っていませんが、空港利用の方も多いので早い時期での設置が望まれます。下り1番線は方面(本線横浜方面/羽田空港方面)により乗車目標を変えているため難しいのかもしれませんが、解決してほしいところです。
- 京急電鉄オフィシャルサイト ― 2018年度 鉄道事業設備投資計画(2018年5月9日)
- 京急電鉄オフィシャルサイト ― 新1000形!約11年ぶりに新造車を全面塗装!赤と白で“京急らしさ”復活!(2017年11月29日)