小田急沿線に住んでいながら初の小田急ネタです。各停ユーザーとして気になる話題です。
4月28日、小田急電鉄は2017年度の鉄道事業設備投資計画を発表しました。発表した計画には複々線の完成や新型ロマンスカー70000形の投入など既報もありますが、新たに明らかになったことで3000形8両編成の10両編成化などがありました。
追記(17.12.15)8両編成から10両編成化された最初の編成・3081編成が営業運転に入りました。こちらからどうぞ
3000形8両編成に中間車組み込みで10両編成化
小田急全体では4・6・8・10両編成がありますが、8両編成は、多摩線内で平日上り朝に急行運用(唐木田→新百合ヶ丘間)があるほかは、すべて各駅停車(小田原線・新宿~新松田間、多摩線)で使用されています。多摩線の各駅停車では需要的に6両編成がメインなので、8連は小田原線各停向けといってもいいような編成です。
この8両編成のうち、3000形に中間車を追加製造して10両編成にすると発表されました。
背景には、各駅停車のみ停車する駅にて、複々線化と同時に進行しているホーム延伸の完了を見込んでのことでしょう。
背景には8両用ホームの10両延伸化。最後に残った代々木八幡駅も改修工事中
新宿口で、各駅停車(および以前運転していた区間準急も)しか停まらない駅では、かつてはホーム有効長が8両編成でしたが、梅ヶ丘~登戸間の高架複々線化(両端以外はほぼ完成)と代々木上原~梅ヶ丘間の地下複々線化(現在進行中)で、多くの駅のホームが10両編成対応となりました。
現在、8連ホームが残っているのは代々木八幡駅のみとなりました。代々木八幡駅は現在改修工事中で(ホーム延伸のほかホームドア設置など、今年度の設備投資計画にも盛り込まれています)、構造上ホーム延伸が難しかったのですが新たにホームを造成することで10両編成対応になりそうです。
このため、
- 代々木八幡駅のホーム10両対応
- 代々木上原~梅ヶ丘間の地下線完成
- 梅ヶ丘~登戸間の高架複々線完成
により、新宿~新松田間の全駅でホームは10両編成対応になるので、8両編成に制限されていた各駅停車も10両編成運転ができるようになります。それを見越しての3000形8連の10連化でしょう。各駅停車が10連化されると、両数による制限がなくなるので、運用が柔軟にできます。現在は分けられている急行系の10連運用と各停運用が共通にでき、新宿に着いた各駅停車が急行で折り返す、などといったことができるようになります。
4000形の千代田線直通注力により、不足分を3000形の8両編成増車で対応? 同時に新宿発6両各停は消滅?
3000形の8両編成は15本ありますが、何本を10両編成化するのでしょうか? ただ複々線完成で千代田線直通列車の増加が考えられるので、線内でも運用されている4000形を千代田線直通運用に注力しそうです。そうなると線内の10連運用分に不足が出そうなので、15本すべてを10両編成化してもおかしくないです。
また、2000形8連(9本)と1000形8連(1本)については触れられていません。8連のまま残して、2018年度以降は多摩線運用がメインとなるのかもしれません。
いずれにしても、現在でも残っている新宿発着各駅停車の6両編成(減ってきてはいますが)は3月改正でなくなるのではないでしょうか。さすがにピーク時には入っていませんが、今でも利用の多い夜の時間帯でも6両があるのは各停ユーザーにとって迷惑だったので、3000形8連の10連化で新宿発の6両各停がなくなるのなら歓迎したいです。
50年越し悲願の複々線が完成し、小田急線は大変革へ
2017年度は、2018年3月の代々木上原~梅ヶ丘間の地下複々線化により、代々木上原~登戸間の複々線が完成します。ピーク時の本数が27本から36本に、所要時間も短縮(平日の町田→新宿8:30頃着で、約10分の短縮)と利便性が大幅に向上する予定です。
開業90周年を迎えた2017年度は節目となる年で、50年越しの悲願だった複々線完成と新型ロマンスカー70000形の登場が予定される来年3月のダイヤ改正では、数十年に一度となるような大変革が見込まれます。
- 小田急電鉄「2017年度の鉄道事業設備投資計画」(PDFファイル)(2017年4月28日)
- 小田急電鉄 複々線スペシャルサイト「HELLO NEW ODAKYU!」