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JR四国2600系が12月に運転開始。今後は再び振子式車両に、空気ばね式車体傾斜の限界

JR四国の新型特急用気動車2600系が12月に営業運転を開始します。営業運転に投入されるのは「うずしお」号のうち3往復です。

2600系は空気ばね式の車体傾斜車両ですが、今後の特急用気動車は再び振子式車両に戻すことも同時に発表されました。2000年代に多用されている空気ばね式車体傾斜ですが、限界も明らかになったようです。

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12/2に2600系が「うずしお」3往復で運転開始

JR四国2600系 イメージ

画像:JR四国のニュースリリース(2017年1月30日・下記リンク)より

9月25日に、JR四国が新型特急用気動車2600系の営業運転開始を発表しました。

営業運転開始日は2017年12月2日(土)。

2600系で運転する列車は、特急「うずしお」号のうち、高松~徳島間の日中から夜にかけての3往復。下り徳島行きは9・15・21号、上り高松行きは14・20・26号です。

営業運転初日となる12月2日には出発式の実施も発表されました。詳細は決まり次第とのことですが、おそらく高松駅で催されると思います。

2600系使用「うずしお」の時刻(9/20現在)
下り 上り
列車番号 3009D 3015D 3021D 列車番号 3014D 3020D 3026D
種別 特急 特急 特急 種別 特急 特急 特急
列車名 うず
しお
9号
うず
しお
15号
うず
しお
21号
列車名 うず
しお
14号
うず
しお
20号
うず
しお
26号
高松 11:07 14:12 17:15 徳島 12:24 15:28 18:30
栗林 11:12 14:18 17:20 勝瑞
屋島 11:16 14:22 17:24 池谷 12:33 15:37 18:38
11:17 14:23 17:25 板野 12:39 15:43 18:45
志度 11:22 14:28 17:30 引田 12:53 15:54 18:55
11:23 14:29 17:31 12:54 15:54 18:56
オレンジタウン 讃岐白鳥
讃岐津田 三本松 13:00 16:01 19:02
三本松 11:39 14:44 17:47 讃岐津田 19:10
讃岐白鳥 オレンジタウン 19:17
引田 11:44 14:50 17:53 志度 13:15 16:15 19:20
11:45 14:53 17:55 13:16 16:16 19:21
板野 11:58 15:05 18:07 屋島 13:21 16:21 19:26
池谷 12:05 18:14 13:22 16:22 19:27
勝瑞 15:13 栗林 13:26 16:27 19:32
徳島 12:13 15:20 18:23 高松 13:31 16:32 19:37
編成 2両 2両 2両 編成 2両 2両 2両

※ 時刻は9月20日現在。2600系での運転に伴い時刻が変更される可能性があります

2600系が採用した空気ばね式車体傾斜車両

2600系は、JR四国の特急用気動車の主力2000系の置き替え用として登場しました。

JR四国の特急用車両は、JR移行後に登場した車両はすべて車体傾斜車両を採用し、カーブでの速度向上を図っています。半径600mのカーブでも、通常車両(本則)では90km/hのところを120km/hで走ることができます。

1989年(平成元年)に2000系気動車が※1、1992年(平成4年)に8000系電車が登場※2しました。

2000系・8000系は制御付き自然振子式車両でしたが、2600系は2014年デビューの8600系電車と同じ空気ばね式の車体傾斜を採用しています。

車体の遠心力を使って傾ける振子式に対して、空気ばね式は、台車と車体の間にある空気ばね中の空気の量を調節して車体を傾けます。人の身体で例えると、振子式は座っている足元から遠心力でカーブの外側に振られる感じで、空気ばね式は上半身をカーブの内側に傾ける感じでしょうか。振子式(特に制御なしの自然振子式)では乗り物酔いを起こしやすかったですが、空気ばね式は乗り心地の違和感が少ない特徴があります。

空気ばね式車体傾斜は、振子式に比べると傾斜の角度は浅いですが、構造が簡単(≒製造・メンテナンスコストの低減)な割に効果が得られるとして、2000年頃から振子式に代わり車体傾斜の方式として採用が増えています※3。空気ばね式車体傾斜車両の代表といえばN700系ではないでしょうか。

話を2600系に戻すと、デザインコンセプトはNeo Japonisme (ネオジャポニスム)として、安らぎと先進性をあわせ持たせた特急車両を目指しました。カラーリングは、四国の自然をイメージした青と緑に映えるよう、ディープレッドを基調としつつ、配色は吉兆の伝統配色「赤と金」としています。内装も和柄をイメージして、座席の色は高松方(Mc車)はえんじ、徳島方(Mc’車)は紺です。車いす対応多機能トイレや、座席へのコンセントの設置・可動式枕の取り付け、LED照明の採用など、時代に合わせた設備も持っています。

最高速度は120km/h。2両編成で、分割併合がしやすいように貫通型の前面です。2両とも普通車、今のところグリーン車は造られていません。

※1:試作車「TSE」の製造年。量産車は1990年(平成2年)、改良型N2000系先行車は1995年(平成7年)、N2000系量産車は1997年(平成9年)に投入
※2:試作車の製造年。量産車は1993年(平成5年)に投入
※3:他の空気ばね式車体傾斜車両

  • JR東海・JR西日本N700系新幹線
  • JR東日本E5系新幹線・JR北海道H5系新幹線
  • JR東日本E6系新幹線
  • JR北海道キハ201系
  • JR北海道キハ261系
  • JR東日本E353系
  • JR四国8600系
  • 名鉄2000系(ミュースカイ)
  • 小田急50000形(VSE)

今後は2600系ベースの振子式車両に。空気ばね式車体傾斜の限界

JR四国2600系 2601 @吉成~勝瑞 17-08-11

Photo by Spaceaero2 (Own work) (2017) [CC BY-SA 4.0]
JR四国2600系 2601 @吉成~勝瑞 17-08-11(ウィキペディアより・アイキャッチ画像は上記を加工)

2600系は空気ばね式車体傾斜を採用し、メンテナンスコストの低減を目指していたようです※4。高知へ向かう土讃線で走行試験を行った結果、連続したカーブが多いため、空気ばね制御に多くの空気を消費し、空気容量の確保に課題があることがわかりました。空気ばね式車体傾斜にはカーブが多く空気が不足したということです。

2000系が土讃線で試験を行っていましたし、JR四国としては2600系の投入もメインは土讃線と考えていたと思います。

しかし空気ばね式では土讃線の走行に技術的な課題をクリアできなかったということで、今後新製する特急用気動車は、2600系をベースとしながらも、2000系同様の振子式車両を採用すると発表しました。まだ予定は明らかになっていませんが、2020年度までに2000系を置き替えるという報道もあります。

2000年代になってから、車体傾斜には空気ばね式が主流になっていましたが、カーブが連続する山岳線区では限界があることが明らかになったといえます。

振子式から空気ばね式への車体傾斜方式の変更は、土讃線(2000系→2600系)では空気ばね式はスペック不足で振子式に戻され、中央東線(E351系→E353系)では振子式がオーバースペックだったということでしょうか。

特急列車が走る山岳線区※5は多くありませんが、今後は車体傾斜方式に空気ばね式と振子式を線区により使い分けることになるかもしれません。

※4:背景には四国島内の高速道路の整備が進み、特急列車と競合するようになったため、JR四国を取り巻く環境が厳しくなったことがあると思います
※5:「しなの」が走る中央西線、「ひだ」が走る高山本線、「やくも」が走る伯備線など。他にも海沿いを走るもののカーブが多い路線としては「くろしお」が走る紀勢本線、「ソニック」が走る日豊本線など(以上すべて筆者の独断によります)。「ひだ」以外は振子式車両。「やくも」は国鉄型の381系で運転(他はJR化後の車両)。「ひだ」は車両置き替えが決定しています。詳しくはこちらの記事を参照
<参考資料>

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