中央線の特急用車両として、2015年の落成以来試験運転が続いていたJR東日本のE353系。2017年の12月初めに、ついに営業運転に投入との報道がありました。
E353系投入で、今後は影響が必至で目が離せなくなりそうなE351系と189系の動向も探ってみます。
追記 2018年3月限りで、E351系廃車の報道がありました。こちらからどうぞ
追記 E353系のデビューが12月23日に決まりました。速報としていちばん下に追加したほか、記事もアップしました。
E353系、12月初めから営業運転
9月8日に、信濃毎日新聞が新型車両「E353系」を12月初めにも営業投入することが7日、分かった
と報じました。
現在は量産先行車が1編成(12両)ありますが、2015年の落成以来、車庫のある松本を拠点に性能評価の試験を続けてきました。
しかし2015年秋から長らく続いていた試験運転を終えて、ついに営業運転に投入される運びになったようです。
12月初めから営業運転する列車が、定期「スーパーあずさ」の一部なのか、臨時「スーパーあずさ」なのかは不明ですが、営業一番列車には注目が集まりそうです。
E353系投入のスケジュールとE351系・189系
E353系は、中央線(中央東線)の特急「スーパーあずさ」で運用されているE351系の置き換えを目的に製造されました。E353系の営業運転投入で、現在中央東線で走っている特急形車両をその後置き換えることになります。
E353系投入のスケジュール
E353系の営業運転投入は、2015年から始まった性能評価がほぼ終わり、量産車投入に目途がついたことを意味します。
E351系はカーブでの高速運転を目的として制御付き自然振子式車両でしたが、E353系ではJR東日本の在来線車両では初となる、空気バネによる車体傾斜式車両になったことで、長期間の性能試験が必要だったのだと思います。
E353系が12月に営業運転に投入されるということは、試験期間を見る限りでは十分な試験を終えたということでしょう。信濃毎日新聞の記事ではカーブで乗客が感じる遠心力を和らげる新装置も良好に作動することを確認した
と書いています。
今後は営業運転しながら、主に内装面で改良を図っていくのかもしれません。同じく信濃毎日新聞は2年ほどかけて順次投入、現行の「E351系」から切り替える
と報じています。
その通りのスケジュールだと、E353系は今後2019年後半まで量産車が投入されます。製造から実際の営業運転までには少し時間がかかるので、遅くとも2020年春のダイヤ改正時には「スーパーあずさ」の全列車がE353系による運転となるでしょう。
さらに、E257系も置き換えると報じられたこともあるので、中央東線の特急形車両は将来E353系に統一される可能性もあります。かつて速達タイプと停車タイプで車両が違っていた常磐線の特急がE657系に統一されたことを鑑みれば、十分にありそうです。
E351系と189系のその後
JR東日本E351系 特急 スーパーあずさ29号 松本行き @東小金井 17-05-05
現在「スーパーあずさ」で使われているE351系は、臨時列車用(波動輸送用)になる予定とされています。
波動輸送用となっても、現在と同じく主に中央線を走るのは変わらないと思います。
そうすると、現在波動用として運用されている189系については、E351系に取って替えられるのではないでしょうか。
E353系の量産車がそろうと、運用が玉突き式に替わっていきます。
- E353系:新規投入→「スーパーあずさ」
- E351系:「スーパーあずさ」→波動用
- 189系:波動用→???
となると、189系の行き場がなくなります。E353系の量産投入完了=189系の引退、となるかもしれません。
今後のJR東日本からのE353系営業運転投入の正式発表が待たれます。同時に6両編成×4本(豊田3本、長野1本)の189系の動きにもますます目が離せなくなりそうです。
追記:E353系のデビューが12月23日に決定
E353系のデビューが12月23日(土・祝)と発表されました。10月26日に、長野支社のプレスリリースで明らかになりました。
E353系の営業運転一番列車は、下り・スーパーあずさ1号、上り・スーパーあずさ4号。
12両(9+3両)編成を3本投入します。
所要時間については現行ダイヤ通りとし、大型時刻表には「新型車両で運転」と書かれるようです。
E353系営業運転開始についての記事は、こちらからどうぞ。
- 信濃毎日新聞[信毎web] ― スーパーあずさ「新型」12月投入 JR東 2年かけて切り替え(2017年9月8日)
- JR東日本長野支社 ― 中央線新型特急車両 E353系の営業運転開始について
~12月23日(土)デビュー~(2017年10月26日)