西武拝島線に2018年春「拝島ライナー」運行開始。停車駅も考えてみた

てつトピてつコラム路線列車車両

西武鉄道は2018年春から拝島線に有料座席指定列車「拝島ライナー」の運行を開始すると発表しました。

拝島線初の座席指定列車で、拝島線全線開通50周年を記念しての大きな動きになります。

同時に、「拝島ライナー」の停車駅についても考えてみました。

追記1月25日に拝島ライナーの詳細が発表されました。停車駅は、高田馬場(乗車専用)・小平と、小平以遠の各駅です。小平~西武立川間から乗車する場合は指定券不要です。以下の記事は発表時の個人的な予想です。

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「拝島ライナー」についての詳細

西武40000系 S-TRAIN104号 豊洲行き 40001F クハ40001 @所沢 17-10-27

40000系による「S-TRAIN」。
西武40000系 S-TRAIN104号 豊洲行き 40001F クハ40001 @所沢 17-10-27

拝島線の定期列車では初めてとなる座席指定列車です。

運転区間は西武新宿→拝島間。

夕方・夜間に、拝島行き(下り)のみの運転です。平日、土曜・休日ともに運転します。

使用車両は、池袋線の「S-TRAIN」にも使用されている40000系。ニュースリリースでは触れられていませんが、クロスシートでの運転と思います。

料金・停車駅・時刻は未定となっています。

「拝島ライナー」運転のきっかけ

2018年は、拝島線が小平〜拝島間の全線開通から50周年を迎えます。

拝島線全通50周年のイベントやキャンペーンなどはまだ発表されていませんが、50周年記念の最初となる動きが「拝島ライナー」運行開始になりそうです。

「拝島ライナー」の停車駅・料金を予想

現時点では発表されていませんが、「拝島ライナー」の停車駅を考えてみました。

いくつかの停車パターンを考えてみたので、順番に見ていくことにします。

  1. かつての臨時特急の停車パターン
    西武新宿・高田馬場・(田無)・(小平)・東大和市・玉川上水・拝島
  2. 拝島線内は拝島快速の停車パターン
    西武新宿・高田馬場・(田無)・(小平)・玉川上水~拝島の各駅
  3. 途中駅から各駅停車のパターン1
    西武新宿・高田馬場・(田無)・(小平)・小川~拝島の各駅
  4. 途中駅から各駅停車のパターン2
    西武新宿・高田馬場・(田無)・萩山~拝島の各駅
  5. 途中駅から各駅停車のパターン3
    西武新宿・高田馬場・(田無)・小平~拝島の各駅

田無駅・小平駅に()がついているのは、停車するかどうかわからないからです。

停車駅を考える前に、乗降人員の確認

停車駅を設定するにあたり、拝島線各駅の乗降人員は大きな要素となります。以下は2016年度の1日平均の乗降人員です。

  • 新宿線直通:96,016人
  • 小平駅:(拝島線のみ)8,818人+(新宿線のみ)30,080人=38,898人
  • 萩山駅:(拝島線のみ)6,618人+(多摩湖線直通)24,454人=31,072人
  • 小川駅:(拝島線のみ)14,781人+(国分寺線直通)24,599人=39,380人
  • 東大和市駅:25,864人
  • 玉川上水駅:42,159人
  • 武蔵砂川駅:11,687人
  • 西武立川駅:11,129人
  • 拝島駅:35,635人

※出典:関東交通広告協議会 ― 平成28年度1日平均乗降人員・通過人員

乗換駅の萩山駅・小川駅は、乗降人員こそ少ないですが乗換利用の方が多い駅です。

1. かつての臨時特急の停車パターン

西武新宿・高田馬場・(小平)・東大和市・玉川上水・拝島に停車。

途中駅からの指定券を発券するのならば、このパターンがいちばん可能性が高いと思います。拝島線内の東大和市・玉川上水の両駅は、乗降人員で線内4位と1位です。

難点は利用できる方が限定されること、緩急統合を考慮する必要があること、(小平)・東大和市・玉川上水駅にも指定券券売機を設置する必要があることです。

2. 拝島快速の停車パターン

西武新宿・高田馬場・(小平)・玉川上水~拝島の各駅に停車。

緩急統合のできる玉川上水から各駅に停車するのはわかりやすいですが、25,864人の乗降がある東大和市を通過するのが難点です。

3.~5. 途中駅から各駅停車のパターン

小川・萩山・小平のいずれかの駅から各駅停車になるパターンです。

拝島線各駅の利用者に恩恵があり、かつ多摩湖線・国分寺線への乗換も考慮できます。各駅停車の区間は指定券なしで乗車できるようにします。

小川に停めれば鷹の台・恋ヶ窪へ、さらに萩山に停めれば青梅街道・一橋学園への利用も掘り起こし(どのくらいいるかわかりませんが……)、これらの駅から都心へは、国分寺乗換でJR中央線利用が多いので、西武線内にシフトさせる効果もあります。

いずれにしても、都心側の駅(「拝島ライナー」では高田馬場駅)から郊外側の最初の停車駅までの間だけが座席指定になります。他社では「京急ウィング号」(京急本線)や「TJライナー」(東武東上線)で実績がありますが、西武では前例がないのが難点です。

小平駅停車の有無

一時期運転されていた臨時特急でも、新宿線と拝島線の分岐駅となる小平駅に停車していました。それを踏まえると「拝島ライナー」でも停車させてもおかしくもないのですが、拝島線直通を強く謳いたいのならば、あえて小平通過もアリだと思います。

田無駅停車の有無

小平駅の停車は有力ですが、特急「小江戸」が停まる東村山駅に近いという難点もあります。小平駅に停めた場合、新宿線利用客では、小平駅・久米川駅利用の方しか恩恵が受けられません。

それならば、2つ手前の田無駅に停めれば、田無駅・花小金井駅利用の方も乗ることができます。田無駅で所沢方面の電車に接続すれば利便性は確保できます。

難点は都心部に近くなり、通過する区間が短くなることですが、平日の「S-TRAIN」が似た位置にある保谷駅に停まっていることを見ると、おかしくはなさそうです。

でも、やはり可能性は低いでしょうか。

「拝島ライナー」の停車駅予想まとめ

以上をまとめると、途中駅からの座席開放(指定券なしで乗車可能)の有無にもよりますが、次のように考えました。

  • 座席開放なし:西武新宿・高田馬場・小平・東大和市・玉川上水・拝島
  • 座席開放あり:西武新宿・高田馬場・小平~拝島間の各駅

個人的には、座席開放ありのパターンがいいと思います。理由として、拝島線で座席開放なしでは、10両は供給過剰とも思えるからです。それならば、各駅停車になり座席を途中から開放することになったとしても、途中駅利用の方を取り込んで少しでも指定席を埋める方が、料金収入もアップします。

追記1月25日の発表で、実際の停車駅が上記「座席開放あり」と同じことがわかりました。

おまけ:40000系増備と「拝島ライナー」について

5月に設備投資計画の発表を受けて書いた記事では、2017年度に40000系を4編成投入するとしています。

西武40000系が今年度4本増備、S-TRAIN増発に期待
今年3月に“座れる、直通”S-TRAIN向けとして登場した西武40000系。今年度(2017年度)内にさらに4本が追加されることになりました。 現在平日夜は3時間間隔のS-TRAINが、1時間あたり1本以上運転できる態勢が整い、来年のダイ...

「拝島ライナー」を来春から運転となると、そのうち2編成程度は新宿線への投入となりそうです。その際、配置は南入曽よりはやはり玉川上水となるでしょうか。

さいごに

特急「小江戸」と、JR青梅線の「青梅ライナー」に挟まれる形で西武拝島線への着席保証列車の提供は遅れていましたが、うまくいけばJRから利用客を奪うことができるかもしれません。

昭和の頃は、日中の新宿線直通は普通しかなかったことを考えると、やはり隔世の感があります。拝島線も忘れずにサービスレベルをアップさせようとしているのは好感が持てるので期待したいところです。

<参考資料>

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