JR東日本大宮支社は、2018年4月から日光線に、205系改造の観光車両「いろは」の投入・運転開始を発表しました。
日光への旅行を盛り上げ、旅行者にとってうれしい装備も。他の観光列車と違い定期列車として運転されるのが特徴で、日光の観光に新たな選択肢が広がりそうです。
2018年4月から日光線普通列車で「いろは」を運転
画像:JR東日本のプレスリリース(下記リンク)より
2018年4月から開催される「『本物の出会い 栃木』デスティネーションキャンペーン」(栃木DC)開催に合わせて、JR日光線に投入されます。
ネーミングは、「いろは坂」と「物事のいろは」から。ロゴマークは、「い」の文字が、いろは坂を構成するカーブの数と同じ48色によって、日光線カラーのクラシックルビーブラウンによるアルファベットの「I」(=ローマ字の「い」)の中に描かれています。
運転開始は、DC開始日の2018年4月1日(予定)。
「いろは」の運行は、日光線の定期列車として運転
と発表しています。土日などに運転する臨時の観光列車ではなく、通常の普通列車としての運転になります。
「いろは」用205系の改造内容
画像:JR東日本のプレスリリース(下記リンク)より
現在、日光線で使用している205系600番台の電車1本(4両編成)を観光客向けに改造します。日光線イメージのレトロを意識しつつ、ここ最近に求められている設備が追加されています。
内装の改造内容
1両につき4扉の車両を2扉にして、扉を埋めた分座席スペースを増やしてクロスシート化。日光線のレトロなイメージを体現する木目調の内装・木製のつり革などを採用し、増えている訪日外国人観光客にとって多く要望のある大型荷物置場や無料Wi-Fi環境も提供します。
そのほか、フリースペースも1編成中1箇所だったものを2箇所に増やしています。
プレスリリース内の写真からは、
- クロスシートは通路をはさんで1人掛けボックスと2人掛けボックス(横3列)
- ドア横は2人掛けくらいのロングシート
ということがわかり、セミクロスシートですがクロス部分はキハ100系に近い感じです。
外装の改造内容
車体側面の塗色は、日光線カラーのクラシックルビーブラウン(茶色)のイメージを引き継ぎながらも変更されています。
ドア部分以外の車体は、下部(車体裾から帯まで)は黒色、窓の上下にある帯部分は黄金色になっています。乗降用ドアも黒一色、中間の埋められた旧ドア部分の窓下には「いろは」のロゴが付けられています。
戸袋(ドアと窓の間の部分)には、華厳の滝や日光東照宮・陽明門彫刻の龍など、日光をイメージするモチーフが描かれています。
車体の色づかいは、黒色・黄金色・灰桜色など
とされていますが、イラストを見たところでは灰桜色はどこかわかりませんでした。
「いろは」運行についてのひとこと
観光客向け車両ですが、特別仕様の編成が専用の観光列車ではなく通常の列車として運行されるのは、乗りやすくて好感が持てます。
東京から日光へは、鉄道だと東武線利用がメイン(JRも直通特急を走らせていますし)ですが、JR全線が乗り放題になるジャパンレールパス(JRパス)を持っている外国人旅行客にとっては、追加料金なしのJRパスだけで乗れる日光線利用もいると聞いたことがあります。
かつて国鉄時代は東武と競っていたものの、今ではすっかり地域輸送がメインになっていますが、「いろは」の運行により、日光への足としてJRにも選択肢が広がるのは新たな魅力の発見になるかもしれません。
- JR東日本大宮支社 ― 観光のお客さまに快適にご利用いただける車両を日光線に投入します!(PDF 237KB/2017年11月16日)