3月4日改正でなくなる特別快速館山行きに区間乗車。なぜ特別快速は2年で廃止に?

今週末の土曜日、3月4日にはJRのダイヤ改正が行われます。

今までのダイヤを見直すので、より便利になる一方で、利用が少ないなどの理由でなくなる列車もあります。

今日はそんななくなる列車のひとつ、東京~館山間を運転する総武線・内房線の特別快速に乗ってきました。

さすがに館山往復するだけの時間的な余裕はないので、東京から千葉までの片道乗車です。

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東京駅で特別快速館山行きをおでむかえ。

館山行きの特別快速は、平日のみの運転で、東京駅を8:02に発車します。

早朝ではないですが、朝遅くはないので普段より少し早起きですが、列車に間に合うよう7:45くらいに東京駅に着きました。

特急さざなみ号は地下の京葉線ホームから発車しますが、こちらの特別快速は同じ地下でも総武線ホームからの発車です。

東京駅総武線特急発車案内

総武線の発車案内では、千葉方面の快速のところではなく、特急(成田エクスプレス・しおさい)の発車案内にまじって特別快速が表示されています。

発車は地下総武2番ホームで、津田沼発快速の折り返しです。

総武線特別快速E217系

前面(最後尾)の方向幕表示は、快速の「横須賀線―総武線」(黒地白ヌキ)ではなく、黒地オレンジ色で「特別快速」表示です。あと3日で見られなくなるものです。

総武線特別快速館山行き

前面には行先表示はありませんが(これは横須賀・総武線快速の列車で共通です)、側面には特別快速館山行きの表示が出ています。

総武線特別快速木更津行き

終点の館山まで行くのは後ろ寄りの4両(増1~増4号車)だけで、前寄りの11両(1~11号車)は木更津止まりです。時刻表を持っていれば、「木更津~館山間グリーン車なし」といったことが書いてあるので、そこからでも後ろだけが館山まで行くとわかります。

津田沼からの列車は7:57に着くので、通勤時間帯らしく5分の折り返しであわただしく発車しました。

特別快速らしく途中で追い越しつつ房総へ。

東京発車時点では、座席にはかなり余裕があり、もう空いている時間と思ったりもしました。

特別快速は、千葉までは途中錦糸町・船橋・津田沼に停車と、総武線の中でもほんとに主要駅だけ停まります。

地下駅の新日本橋・馬喰町を通過するのもポイントで、この2駅を通過する列車は他には特急だけなので、料金のいらない列車ではこの特別快速が唯一です。

地下なのでスピードはそこまで出さずに(ノロノロ運転というほどではないです)、地上に出て錦糸町に到着。ここで東京駅よりも多くの人が乗ってきました。それでも座席は1つおきに座れるくらい空席が多いです。都心から離れる下り方面でも朝は乗る人がそれなりにいると思うのですが、この時間帯の総武線では下りはもうピークを過ぎているようです。

市川で先に発車した快速を追い越します。下りでは夜に運転している通勤快速でも市川での追い越しはありますが、朝ということもあって何となくですが気持ちいいです。

錦糸町から18.4キロをノンストップで来て、次は船橋です。東京周辺のJR複々線区間でこれだけ長い距離を停まらないのは他になく、下り方向なのでかなり速かったように感じます。

千葉へ向かうにつれて少しずつ人を増やしていき、途中津田沼に停まり8:37に千葉駅4番ホームに到着しました。

千葉駅3・4番ホーム発車案内

特別快速列車は、このあとも停車駅をかなり抑えつつ、房総半島の南の端に近い館山駅まで行きます。

多くの人が千葉で降りつつ私も、一緒に降りて、東京駅から千葉駅まで35分の短い旅でした。

特別快速登場の経緯と、2年で取りやめになった状況の推測。

東京~館山間を運転する特別快速列車は、2015年3月のダイヤ改正で誕生しました。

これは、それまで館山駅まで運転していた、特急「さざなみ」を置き換えたものです。

特急さざなみからバトンを受けて特別快速登場。

「さざなみ」は、かつては1時間おきに運転されていたくらい本数が多く、房総方面の主力列車()でしたが、内房線に並行する高速道路(館山自動車道・富津館山道路)が整備されて高速バスが走りだすと、しだいに利用者は「さざなみ」から高速バスに移り、2015年3月のダイヤ改正でついに「さざなみ」は館山駅までの定期運転がなくなりました。

2015年3月以前まで走っていた「さざなみ」(下り1号、上り12号相当)の替わりとして特別快速列車ができました。

推測でしかないですが、理由としてはやはり内房線の君津駅以遠の沿線(富津市・鋸南町・南房総市・館山市)への利便性をある程度維持するものと考えられます。

特別快速が見劣りしたもの。

こうして2015年3月に登場した東京~館山間の特別快速ですが、わずか約2年で運転を終えることになりました。

これも推測になりますが、理由としては、

  • 東京や千葉(市)から、JR利用の日帰り往復需要が少なかった
  • サービス(座席)面での見劣り
  • スピードも速くない
  • なぜか、さざなみ1・12号と停車駅が変えられた

といったところではないでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。

東京や千葉からの日帰り需要が少なかった

2015年3月まで走っていた、さざなみ1・12号も、現在の特別快速も、平日のみの運転です(時刻表には「土曜・休日運休」と書かれています)。

そのため、房総への行楽・観光目的でないことは明らかです。平日となると、ビジネスや所用になりますが、そういった方はもともと多くなかった上に、出費は抑えがちで、より安い高速バスや、車を運転できるのであればマイカー利用になるでしょう。

また、「さざなみ」は京葉線経由のため、千葉駅には行きません。蘇我駅で乗り換えれば済むことですが、せっかく落ち着いて座った特急を途中で降りるのは面倒に感じるかも。そうであれば最初から普通列車で行っても構わないと考えるかもしれません。

サービス(座席)面での見劣り

「さざなみ」に替わり登場した特別快速は、館山まで行くのはE217系の4両編成です。

この車両はすべてロングシートの車両です。また、グリーン車を含む11両は木更津まで(から)しかありません。

特急の替わりとして登場したのに、特急料金がかからないとはいってもロングシートなのは、一度使ったら敬遠されるかもしれません。

それに比べると、高速バスは(狭いといっても)ひとりひとりに座席があります。

グリーン車のある11両編成の方を館山まで直通させる方法もあったと思いますが、

  • 11両を走らせるほど利用者が多くない
  • 1日1本(しかも平日のみ)のためにグリーン車Suicaシステムを整備しないといけない
  • 停車駅にSuicaグリーン券券売機を置かなくてはいけない(やはり平日1本のために)

などの、JRにとってのデメリットが大きかったのはないでしょうか。

スピードも速くない

「速くない」というのは、君津以遠の単線区間でのはなしです。

君津から館山にかけては、全線単線で、列車の行き違いのために停車時間が延びる上に、この区間は線路もあまりよくありません。

そのため、特急や特別快速でもすごく速くなるわけではないです。君津~館山間の所要時間は次のとおりです。

君津~館山間の所要時間
さざなみ1号 50分
さざなみ12号 44分
特別快速 47分
普通 53~68分

(さざなみ1号と12号では停車駅が異なる(1号:青堀・保田・富浦、12号:富浦・保田・浜金谷・上総湊))
(普通の所要時間は君津駅・館山駅を9時台~16時台に発車する列車で算出)
(さざなみはJR時刻表2015年1月号、特別快速・普通は2016年4月号による)

さざなみ1・12号と停車駅が変えられた

内房線の君津~館山間は、利用者数が近い駅が並んでいたため、「さざなみ」が館山まで走っていたころは、列車(および、平日と土日)によって停車駅を互い違いにするような、いわゆる千鳥停車が行われていました。

しかし特別快速は1往復なので、その中からいくつか停車駅をピックアップすることになります。

特別快速は、さざなみ1・12号に近い時間帯を走っていますが、なぜか君津~館山間の停車駅が変えられています。

停車駅 さざなみ1号 さざなみ12号 特別快速
君津
青堀
大貫
佐貫町
上総湊
竹岡
浜金谷
保田
安房勝山
岩井
富浦
那古船形
館山

ちなみに、特別快速の停車駅は、土曜・休日に運転する特急「新宿さざなみ」と、錦糸町~館山間で同じです。かつては定期「さざなみ」も停まり、利用者の比較的多い青堀・大貫・上総湊には停まらないで、土日に運転する特急と同じ停車駅という不思議さです。

3月4日ダイヤ改正以降の内房線(君津~館山間)について

以上、推測してきましたが、特別快速が2年で運転を終えるというのは、寂しさもありますが、利用者が伸びなかったからでしょう。

房総半島南部の、特に内房側には大きな街が館山以外にないので、今後も状況は厳しくなってくるかもしれません。観光利用も状況は同じで、現に「新宿さざなみ」も基本的には5両編成での運転と、そのくらいの両数で足りているからです。

3月4日のダイヤ改正でも、内房線の君津から先の区間の普通列車は、日中は木更津~館山間の列車が多くなり、千葉まで直通しないで乗り換えが必要とされます。千葉付近では利用者が多いのに先の区間では少ないので、4両や6両の通し運転ではどちらの利用者数に合わないからではないでしょうか。

今後も沿線は人口が減っていくと思われますし、夏の海水浴も行く人が減っているので、地域輸送としてどのようにしていくのかは問われると思います。

最後に、3月4日以降に現在の特別快速に対応するダイヤについて書いておきます。

下り

主な駅 現行
特別快速
3月4日から
(平日のみ) (平日) (土曜・休日)
東京 8:02 8:02 8:04
(久里浜始発)
千葉 8:37 8:41 8:43
8:38 8:44 8:44
木更津 9:08 9:21 9:21
9:16 9:22 9:22
君津 9:23 9:29 9:29
乗換 乗換
9:23 9:31
(木更津始発)
9:31
(木更津始発)
館山 10:10 10:31 10:31

上り

主な駅 現行
特別快速
3月4日から
(平日のみ) (平日) (土曜・休日)
館山 17:05 17:20
(安房鴨川始発)
17:20
(安房鴨川始発)
君津 17:52 18:18
(千葉行き)
18:18
(千葉行き)
乗換 乗換
17:52 18:25 18:25
木更津 18:00 18:32 18:32
18:09 18:33 18:33
千葉 18:39 19:13 19:13
18:41 19:15 19:15
東京 19:14 19:56
(久里浜行き)
19:56
(横須賀行き)
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コメント

  1. やまちゃん より:

    よい分析ですね。

    JRも、もっと特別快速の宣伝をすればよかったと思います。

  2. 六花の旅人 より:

    ありがとうございます。せっかく直通で運転していたんだからもっと宣伝して知ってもらえれば乗る人も増えたかもしれませんね。