JR北海道とJR東日本は、2月13日に今年(2017年)の「北海道&東日本パス」の発売を発表しました。
青春18きっぷと同様の普通列車(いわゆる鈍行列車)乗り放題のきっぷですが、あまり知られていないような気がします。
でも、エリアが狭い分、実は18きっぷよりもおトクがいっぱいです。
そんな「北海道&東日本パス」について、青春18きっぷとどう違うのかを中心に紹介します。
北海道&東日本パスとは?
JR北海道・JR東日本エリアなどの、普通・快速列車が乗り放題のきっぷです。
値段は、おとな10,850円、こども5,420円です。
これだけだと、18きっぷを北海道・東日本エリアだけ使えるようにした感じがしますが、次からが18きっぷと比べて北海道&東日本パスがおトクなところです。
青春18きっぷとの違いは? メリットとなるところは?
青春18きっぷと似たようなきっぷですが、エリアが狭い分、18きっぷと比べておトクなところがあります。
おトクその1︰きっぷの有効期間が長い!
青春18きっぷは最大5日間有効ですが、北海道&東日本パスの有効期間は連続する7日間です。
有効期間が7日間(1週間)とは、関東から北海道を回ってきてまた戻ってくるまで1枚で使えるような長さです。
また、発売額がほぼ同じな分、1日あたりでは安くなり、18きっぷが1日あたり2,370円なのに対し、北海道&東日本パスは1日あたり1,550円です。
おトクその2︰春・夏はきっぷの発売・利用期間が長い!
例えば、北海道&東日本パスの2017年度の利用期間は、以下の通りてす。
- 春季:3月1日~4月22日
- 夏季:7月1日~9月30日
- 冬季:12月10日~1月10日
太字のところが、18きっぷよりも期間が長いところです。
冬は18きっぷと同じ期間ですが、春は4月の下旬まで使え、夏は始まりと終わりのどちらも長くなっています。
特に夏季は7月から9月いっぱいまで、3ヶ月間まるまる使うことができます。9月の連休の時期に使えるのは、18きっぷにはない長所です。
おトクその3︰第3セクター路線にも一部乗れる!
青春18きっぷでは乗れない、第3セクター路線にも一部乗ることができます。
乗れる路線(会社)は、
- IGRいわて銀河鉄道線
- 青い森鉄道線
- 北越急行ほくほく線
です。特にメリットとなるのは、IGRと青い森線に乗れることです。
18きっぷでは北海道や青森へ行くのにはどうしても奥羽本線経由(秋田回り)になりますが、北海道&東日本パスではこの2路線に乗れるので、かつての東北本線(盛岡・八戸)経由で行くことができます。
おトクその4︰北海道新幹線の全区間に乗れる!
青春18きっぷでは、オプション券を追加購入して、かつ北海道新幹線に乗れるのは奥津軽いまべつ〜木古内間でしたが、北海道&東日本パスでは新青森〜新函館北斗間の北海道新幹線全区間に乗れます。
ただし、そのままで乗れる訳ではなく、特定特急券(自由席特急券の代わり)を買うことで乗ることができます。
その他のおトクなところは?
青春18きっぷと違い、こども料金の設定があるので、親子で1枚ずつ使ったときに、18きっぷよりも安くなります。
また、きっぷの大きさが定期券サイズなので、自動改札機を通ることもできます。
青春18きっぷよりもデメリットとなるところは?
青春18きっぷとの違いにより、逆にデメリットとなるところもあります。
デメリットその1︰バラ利用、グループ利用ができない
おトクその1でも触れましたが、北海道&東日本パスは7日間の連続利用となります。
利用開始日から7日間ということで、例えば8月1日から使い始めると、有効期間は8月7日までになります。
青春18きっぷと違い、分割しての利用ができません。
そのため北海道&東日本パスではバラでの利用(1日分使って、間に日を空けてまた使う、など)・グループでの利用ができません。
有効期間・回数は次のように考えるとイメージしやすいと思います。
- 青春18きっぷ︰1回で1日利用×5回分
- 北海道&東日本パス︰1回で7日間利用
デメリットその2︰道南いさりび鉄道線に乗れない
青春18きっぷでは、オプション券(2,300円)を買えば道南いさりび鉄道線に乗れますが、北海道&東日本パスでは乗ることができません。
道南いさりび鉄道線に乗るには、通常通りきっぷを買う必要があります。
木古内から函館方面(逆方向も)は、北海道新幹線に乗ることができるので、そちらを利用しましょう。
青春18きっぷと同じところ
他の点については、青春18きっぷとほぼ同じルールです。
乗れる路線
「北海道&東日本パス」の名前の通り、JR線についてはJR北海道・JR東日本が対象ですが、その中で在来線・BRT全線に乗り放題なのは同様です(さらに「おトクその3」で挙げた第3セクター線も乗り放題です)。
乗れる列車
列車については、普通・快速列車に乗り放題(乗り下り自由)で、特急列車に乗れないのは18きっぷ同様です。
乗れる座席
座席についても18きっぷ同様で、普通列車の普通車指定席・グリーン車自由席などは料金(指定席券など)を追加すれば乗れます。
特急列車の特例乗車
18きっぷ同様に、
- 新夕張〜新得間(石勝線)
- 新青森〜青森間(奥羽本線)
の特急列車の普通車自由席には、追加料金なしで乗ることができます。
2017年の発売日・利用日について
2017年の、北海道&東日本パスの発売期間・利用期間については、次の通りです。
- 春季
- 発売期間:2017年(平成29年)2月20日~4月16日
- 利用期間:2017年(平成29年)3月1日~4月22日
- 夏季
- 発売期間:2017年(平成29年)6月20日~9月24日
- 利用期間:2017年(平成29年)7月1日~9月30日
- 冬季
- 発売期間:2017年(平成29年)12月1日~2018年(平成30年)1月4日
- 利用期間:2017年(平成29年)12月10日~2018年(平成30年)1月10日
18きっぷと違い、発売は各期間最後の利用日の6日前までです。最終発売日から使い始めると、最終利用日まで有効となるような期間です。