画像:西武鉄道のニュースリリースより
6月13日に、西武鉄道が2018年度末に運行開始予定の新型特急車両の基本デザインを発表しました。
その中でも、「風景に溶け込むデザイン」を表現するカラーリングが今までになく個性的なものに感じました。
特徴的な雲がかかったようなカラーリング
新型特急車両は3つのデザインコンセプトを掲げていますが、その中の1つ・「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む特急」を表現するカラーリングが特徴的です。
このデザインを表現するため「アルミ素材の車体に塗装」するとしています。その塗装が、単純なベタ塗りやラインを引いているのではなくグラデーションがかかっているのですが、よくある色の移り変わりではなく雲がかかっているような塗装になっています。
今まで特急車両のカラーリングといえば、ベースとなる色にラインがひかれていたりすることが多かったと思います。あってもブロックごとの塗り分けとか。それがこの車両では色がまばらに変化していて、今までにないような塗装に見えます。特急車両だけでなく一般車両向けでも少ないのではないでしょうか。
左がよくあるグラデーション(上下方向)、それに雲がかかったようなイメージが右側です。
使われている色は、下の部分が黄緑で上にいくに従って水色と、コーポレートカラーを採用しています。ちょうど、「あれも、これも、かなう」のロゴマークの色です。歴代の赤から離れるのは残念ですが、フラッグシップトレインを強く意識した色と思います。
大きな窓と黄色いインテリア
あらためて、新型特急車両のデザインコンセプトは、
- 都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む特急
- みんながくつろげるリビングのような特急
- 新しい価値を創造し、ただの移動手段ではなく、目的地となる特急
となっていて、2番目の「リビングのような」車両にするために、窓を大きくとり等間隔に並べています。大きさとしては40000系のパートナーゾーンに近いものがあるでしょうか。
内装の色もこれまた変わっていて、デッキとシートが淡い黄色基調となっています。
画像:西武鉄道のニュースリリースより
古い車両では内装の化粧板に薄い黄色のものもあったかと思いますが、シートが黄色は今まで見たことがない気がします。ホームから車内に入ったデッキも黄色、さらにはトイレの壁も黄色です。黄色の色味にもよりますが、この「あたたかみのある黄色」、かなり冒険しているように思えます。JR九州883系の登場時のような原色系ではないですが、多くの「特急車両=落ち着いた内装」といった感じからは離れているので、行楽ではいいかもしれませんが通勤時(帰宅時)に受け入れられるかどうかが、支持の分かれ目になる気がします。
2019年春に池袋線に登場?
前面には日本初となる三次元曲面ガラスを採用して、「やわらかな印象」になっています。フロントガラスは大きいですが、よく見ると高運転台になっていて、前面と乗務員室扉の間にも窓があるので、衝突安全を考慮したクラッシャブルゾーンが設けられているように見えます。
丸みをもった先頭部分のデザインは、特急車両にもスマイルトレインを導入とも感じます。
今後の予定
最初にも書きましたが運行開始予定は2018年度末、おそらくは2019年3月のダイヤ改正時に登場すると思われます。
製造メーカーは日立製作所で、これも歴代の特急車両を引き継いでいます。時代背景からかA-trainで造るとの情報もあります。
導入は8両7編成で、系列名は順繰りに50000系となるでしょうか?
7本投入というのはちょうど現在の池袋線系統の10000系の本数と同じなので、まず池袋線に投入すると考えられます。イメージ画像でも秩父の山々をバックに走る様子が描かれているので、ほぼ間違いないでしょう。
- 西武鉄道Webサイト ― 新型特急車両の基本デザインが決定しました!(2017年6月13日)
- 西武鉄道Webサイト ― 2018年度、新型特急車両が走り出します!(2016年3月14日)