竜宮城をイメージした駅舎がある小田急江ノ島線の片瀬江ノ島駅が、駅舎改築を含む改良工事を実施し、2020年にリニューアルします。
背景には老朽化などもあるようですが、竜宮城がより大きくなるのには期待できそうです。
竜宮造りの駅舎にリニューアル、片瀬江ノ島駅の改良工事
画像:小田急電鉄のニュースリリース(下記リンク)より
小田急江ノ島線の終点・片瀬江ノ島駅は、竜宮城をイメージした駅舎で親しまれてします。江ノ島観光の玄関口として造られた駅舎は、1999年には関東の駅100選にも選出されています。
1929年(昭和4年)の江ノ島線開業とともに開設された駅で、開設時から使われている駅舎は築88年の長さです。
リニューアルとしては、2020年の東京オリンピックを控えた観光客の増加を見込んで、駅舎建て替えのほか、トイレのリニューアルなども含まれています。
リニューアル期間は2018年2月から、2020年5月まで。駅のリニューアル内容は次の通りです。
- 駅舎デザインのリニューアル:竜宮城の雰囲気はそのままに、竜宮造りの建築技法を用いてデザイン性アップ
- ホーム屋根(上屋)のリニューアル:駅舎と合わせたデザインの屋根にし、自然の光もとり入れられるように
- コンコースの拡幅:花火大会などのイベント時にも対応
- トイレのリニューアル:個室数の増加、多目的トイレの増設、女性用パウダールームの新設
リニューアル工事期間中(約2年4ヶ月)は仮設の駅舎・通路などになる可能性があると思うので注意が必要です。
老朽化は致し方ないが、竜宮造りを採用した本格志向は評価
現在の片瀬江ノ島駅(2008年4月、画像加工あり)
現在の駅舎は見た目のインパクトもあり、広く親しまれていると思いますが、築88年ということもあって老朽化が進行していたと思います。
さらに昭和初期には想定していなかった利用者の増加、ユニバーサルデザイン対応のトイレなど、必要とされている設備が不足していたとも思います。ニュースリリースでは触れられていませんが、老朽化による改築の面もあるでしょう。
開業当時からの駅舎がなくなるのは残念ですが、神社仏閣の建築のひとつの竜宮造りを採用し、駅舎としてより本格的なたたずまいを目指しているのは、伝統文化を引き継ぐという意味でもいいことだと思います。
<参考資料>
- 小田急電鉄 ― 片瀬江ノ島駅の改良工事を実施します(PDF 399KB/2017年12月12日)