小田急電鉄が代々木上原~梅ヶ丘間で工事を進めている複々線を、3月3日より使用すると発表しました。
また、3月17日にダイヤ改正を実施し、同日から70000形GSEも運転開始し、「あさぎり」号を「ふじさん」号に愛称変更することも発表しました。
3/3(土)初電から複々線運転開始
東北沢駅から工事中の複々線を望む/17-05-26撮影
ついに、悲願だった複々線の使用開始が発表されました。
2018年3月3日(土)の始発電車から、代々木上原~梅ヶ丘間約2.2kmの複々線を使用します。
前日・3月2日(金)の終電後から線路切替工事を実施し、3月3日の初電からは複々線を使用し、各駅停車は緩行線を走るようになります。
東北沢駅・世田谷代田駅で現在使用している仮設ホームも3月2日で終了し、3月3日からは本ホーム(新ホーム)での発着となります。
下北沢駅でも各駅停車用ホームを3月3日から使用開始します。各駅停車用ホームは地下1階、現在使用している地下2階のホームは急行などの優等列車用ホームになるので、3月3日からは列車により発着するフロアが変わるので注意が必要です。
なお、3月2日終電後の切替工事が実施できなかった場合、3月3日終電後に工事日時を振り替えるとしています。
ダイヤ改正後の下北沢駅は、方面・種別によりフロアが変わる
上り列車については、地下2階の2番ホームからは新宿行きの快速急行・通勤急行・急行が発着するようになります。
種別を問わず千代田線直通列車と、新宿行きの各駅停車は、地下1階の4番ホームから発着します。
下り列車については、快速急行・急行は地下2階の1番ホームから、準急・各駅停車は地下1階の3番ホームからの発着です。
現在の東北沢駅・世田谷代田駅
写真は東北沢駅のホーム(17-05-26撮影)。右側の仮設部分が撤去され、左側の本ホーム部分に各駅停車が発着するようになります。
こちらは世田谷代田駅(17-05-26撮影)、改札口へ向かう上りエスカレーター付近です。この写真の位置が、新たなホームになります。
3/17(土)にダイヤ改正実施
複々線化にあわせてダイヤを改正することは既に発表していましたが、改正日を2018年3月17日(土)と改めて発表しました。
また追加発表として、JR御殿場線へ直通する特急ロマンスカー「あさぎり」号を、「ふじさん」号に列車名を変更すること、ロマンスカーGSE・70000形を改正当日の3月17日より運転すること、箱根登山線内の特急料金の割引終了も明らかにしました。
御殿場線直通のロマンスカーは「ふじさん」号に。1959年以来の「あさぎり」号の歴史に幕
1959年以来、御殿場線直通として運転してきた「あさぎり」号の愛称を、「ふじさん」号に変更することを発表しました。
背景として、
- 富士山に向けてダイレクトに運行
- 訪日外国人観光客にわかりやすく
といったことがあります。訪日外国人旅行者にも移動手段として選択いただけるように
とニュースリリースで明らかにしているように、外国人観光客の富士山アクセスでJR中央線と富士急行線から引っ張ってくる狙いのようです。
また、上り最終の6号は約50分(御殿場発車時刻)繰り下げて、滞在時間を長くとれるようにします。下りも、土曜・休日運転の11号を、1号と3号の間・新宿8:40発で運転します(現行は3号と5号の間・新宿12:50発)。
なお、車両は60000形MSEがひき続き使われます。停車駅も現在のまま、新百合ヶ丘・相模大野・本厚木・秦野・松田・駿河小山(一部のみ)です。
70000形GSEも3月17日に運転開始
先日、車両が公開されたロマンスカーGSE・70000形も、ダイヤ改正日の3月17日から運転します。
GSEの運行予定は、決定しだいホームページにて発表するとしています。
箱根登山線内の特急料金割引を終了、実質200円値上げ
現在はロマンスカーで箱根湯本駅まで利用しても、特急料金は小田原までの金額と同じでしたが、箱根登山線内の特急料金割引を終了します。
さらなる特急輸送サービスの向上を図る
ことから、箱根登山線内の特急料金を必要とするように変更したようです。
箱根登山線内(小田原~箱根湯本間)の特急料金は、おとな200円で、小田急線内からロマンスカーを利用する際には実質値上げとなります。
- 箱根登山線内(小田原~箱根湯本間)の特急料金
- おとな:200円
- こども:100円
また同時に、VSE(50000形)に設置しているサルーン席の料金についても、小田原~箱根湯本間の割引を終了します。小田原~箱根湯本間のサルーン料金は800円です。
なお、割引終了は3月17日発売分からになります。乗車が3月17日以降でも、3月16日までに特急券を購入すれば割引が適用されます。
複々線化とダイヤ改正は別の日に
12月15日に発表された内容では、複々線使用開始とダイヤ改正がそれぞれ別の日に実施することが発表されました。
理由としては、
- 駅係員・乗務員の負担軽減
- 駅利用者の慣れを考慮
などが考えられます。同時に2つのことが新しくなるのは不測の事態が起きるリスクが高まると考えてのことでしょう。
特に下北沢駅は、複々線使用開始すると各駅停車だけは地下1階からの発着になります。ダイヤ改正後は千代田線への直通など運行本数が純増するだけに、駅の動線などで混乱が生じることも考えられます。現行ダイヤでは、下北沢から新宿へ向かうのは来た電車に乗るのが早く着く(途中での追い抜きがない)のでわかりやすいですが、複々線化されると、発車時刻を確認した上で先発電車が各駅停車ならば地下1階のホームに向かうことになりますからね。
線路切替は大がかりな出来事で、複々線化ではないですがJR中央線の高架化時(下り線・三鷹~国分寺間)には工事が終了予定時刻より大幅に長引き混乱したこともありました。複々線使用開始とダイヤ改正を別の日にしたのは賢明な判断だと思います。
- 小田急電鉄 ― 新ダイヤでの運行開始日を決定!(PDF 520KB/2017年12月15日)
- 小田急電鉄 ― 複々線での運転を開始します(PDF 1.16MB/2017年12月15日)