残り2編成となっていた京急2000形が、3月下旬までに引退すると発表されました。
2000形の引退に際し、記念きっぷの発売と、優等列車用塗装を復刻した2011編成を使用した特別列車「ありがとう2000形」も運転されます。
かつては快特に使用され、関東では貴重なクロスシートを装備した京急のフラッグシップ車両は2100形の登場により快特運用を譲りましたが、京急初のブルーリボン賞受賞車両の引退は名残惜しく感じます。
かつてのエース車両・快特用だった2000形が引退
Photo by Kei365 (Own work, 2013) [CC BY-SA 3.0](ウィキペディアより)
優等列車用塗装に復刻された「リバイバル塗装車」2011編成
京急2000形 エアポート急行 新逗子行き 2011編成 デハ2011 @京急鶴見 13-02-06
2000形は1982年(昭和57年)に登場。
主に快特などの優等列車用として使用されました。関東では貴重な、料金不要のクロスシート車両だったのが特徴。快適な居住性、スピード感あふれる傾斜した先頭部分、優等列車用の窓周りの太い白帯など、京急のフラッグシップ車両として、また関東の他社とも一線を画した車両として存在感を放っていました。1983年に鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しました。
快特とともに「京急ウィング号」にも使用されましたが、後継となる2100形が登場してからは3扉ロングシートに一般車化改造がされました。同時に塗装も、窓下に白細帯の一般車塗装に改められています。最近では主に羽田空港~新逗子間のエアポート急行などに運用されていました。
段階的に数を減らしていましたが、残り8両編成2本となっていました。2061編成は白帯が細い一般車塗装、2011編成はかつてのカラーリング・窓周りが白に塗られた「リバイバル塗装車」となっていますが、このたび2018年3月限りでの引退が発表されました。
引退を惜しみ、リバイバル塗装車の2011編成にて、3月25日にはさよなら運転ともいえる特別列車「ありがとう2000形」も運転されます。
2000形営業運転終了の時期
画像:京急電鉄のニュースリリースより
- 2061編成(一般車塗装):2018年3月中旬
画像:京急電鉄のニュースリリースより
- 2011編成(リバイバル塗装車):2018年3月下旬
※2011編成は3月25日に特別列車「ありがとう2000形」に運用されますが、具体的な営業運転終了日は発表されていません。
2000形引退の記念きっぷを発売
記念きっぷは横長のD形硬券で、券面には2000形の写真もついています。
購入時の特典で、3月25日に運転される特別貸切列車「ありがとう2000形」の招待券もあります。
記念きっぷ「さよなら2000形記念乗車券」の詳細
- 発売箇所
金沢文庫駅 - 発売期間・時間
2018年3月11日(日)7:00~3月23日(金) - ねだん
2,000円 - 発売セット数
2,018セット(ひとりにつき2セットまで購入可) - 乗車券内容
- 京急久里浜駅より790円区間(京急久里浜→新馬場・北品川・品川・泉岳寺)
- 新逗子駅より810円区間(新逗子→羽田空港国内線ターミナル)
- 三崎口駅より200円区間(三崎口→YRP野比・京急久里浜)
- 金沢文庫駅より200円区間(金沢文庫→安針塚・逸見・汐入・屏風浦・上大岡・新逗子)
各区間おとな1枚(D型硬券)
- 有効期間
2018年3月11日(日)~4月30日(月・振休)、1回限り有効(下車前途無効) - 購入特典
購入時にもらえるスクラッチカードをけずり、表示された賞品がプレゼント。- 特賞:特別貸切列車「ありがとう2000形」招待券(50組100名)
- A賞:オリジナルQUOカード(100名)
- B賞:オリジナルマグカップ(50名)
- C賞:オリジナルクリアファイル(750名)
※ハズレあり(当選950本、はずれ1,068本、当選確率約47%)
3/25に2000形特別貸切列車も運転
2000形の引退の花道を飾る特別貸切列車の運転も決定しました。
運転日は3月25日(日)、リバイバル塗装車の2011編成を使用し、品川駅→京急久里浜駅間で運転します。
特別貸切列車では、車内・久里浜工場にて撮影会やトークショーなども行われます。
特別列車は記念きっぷ「さよなら2000形記念乗車券」の購入特典で、50組100名に当たります。
特別貸切列車「ありがとう2000形」の詳細
- 運転日
2018年3月25日(日)、午前中~13時頃予定 - 運転区間
品川駅→京急ファインテック 久里浜工場→京急久里浜駅 - 使用車両
2000形リバイバル塗装車(2011編成・8両編成) - 参加方法
- 「さよなら2000形記念乗車券」を購入
- その場でもらえるスクラッチカードをけずり、当たれば招待券がプレゼント(特賞商品)
- 招待人数
50組100名 - イベント内容
車内・久里浜工場にて鉄道タレントによる撮影会・交流会・トークショー、および久里浜工場にて車両撮影会
京急2000形の思い出
沿線ではないので乗る機会は限られていましたが、京急本線・久里浜線に“乗りに行った”ときに、他にはないクロスシートの車内と、京急ならではの速さに魅了され、2000形が好きになった記憶があります。三浦半島の丘陵地ではカーブで駆け抜け、横浜以北では東海道線・京浜東北線との競争といったイメージは、個人的には2000形の快特によるものです。
今でこそ関東私鉄各社でクロスシートを使用したホームライナー的な列車※1も登場しましたが、料金不要でクロスシートを備えた車両を持ち、先頭が電動車で高速運転を行う京急にはやはり他にはない魅力があります。その特徴的な存在だった2000形の引退は残念ではありますが、2100形になり前面非常扉がつけられたことで泉岳寺まで入線できるようになり2000形ではできなかった地下線への乗り入れも実現し、ウィング号も朝の上りにも運転されるようになるなど、着実に進化を遂げているように見えます。
ここ最近の京急の利用は羽田空港へのアクセスが主で※2、2100形になってからの快特にはほとんど乗っていないかったのですが、こんど機会をつくり三浦半島へ行ってみようかとも思います。
※1:東武東上線「TJライナー」(50090系)、西武池袋線・東京メトロ有楽町線「S-TRAIN」(平日、西武40000系)、京王線「京王ライナー」(5000系)。すべてロング/クロスシート切替ができるデュアルシートを装備した車両を使用
※2:一部に京急車の運用もあるものの、羽田空港から京成線直通のエアポート快特・快特は京成車が、北総線直通の快特は北総車が多い(羽田空港行きも同様)
- 京急電鉄オフィシャルサイト ― 3月11日(日)「さよなら2000形記念乗車券」を発売!(2018年3月5日)