池上線1日フリー乗車DAYをふりかえる~探訪記&課題を検証

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10月9日に開催された、東急池上線の1日フリー乗車DAY。午後からとはいえ私も行ってきたのですが、話題になっていたとおりの混みぐあいでした。

フリー乗車デーの主な駅でのようすと、行ってみての感想や課題をまとめてみました。

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休日なのにラッシュ並みの混雑・池上線1日フリー乗車DAYを写真でふりかえる

去る10月9日(月・祝)に、無料で1日乗り放題として開催された「池上線1日フリー乗車DAY」(以下フリー乗車デー)。

池上線開通90周年を迎えるということで実施されました。ちなみになぜ10月9日だったかと言うと、池上線五反田~蒲田間が10.9キロなのと、東急(109)の日だからだそうです。

私は14時頃に大崎広小路駅に着いて、まずは1日フリー乗車券をゲット。そこから乗りはじめたのですが、電車はかなり混んでいました。

一度五反田駅へ戻ってから、蒲田方面に1駅ずつ降りてみました。まぁフリー乗車券特典で飲食しようとすると時間もかかるし、なにより人も多いので各駅探訪だけにしました。今度行くときはお店を探してみるのもいいかもしれません。

五反田駅の改札口。これでも人の流れが少しおさまったときの1枚です。運行情報にしっかりと池上線の遅れが案内されています。

こちらは戸越銀座駅の五反田方面ホーム。この写真ではそれほど混んでいないように見えますが……

商店街をつなぐ駅前の踏切は人でごった返していました。

こちらは洗足池駅での1枚。

この日限定で開放していた、ボートハウス屋上から望む洗足池。

で、池の反対側を見ると、信号が青になるたびに多くの人の往来があります。これでもピークは過ぎているはず。

こちらの1枚は石川台駅付近の陸橋から駅を望んだところです。

こうして池上線の電車が行き交うのを眺めることができます。そろそろ夕暮れを迎える頃です。

雪が谷大塚駅近くの車庫・雪が谷検車区。写真からさらに右側にも1本停まっていて、合計5本見えました。

御嶽山駅の五反田方面ホーム。ホームは東海道新幹線と横須賀線の線路の真上にあります。

ホームからは高速で走り抜ける新幹線を眼下に望めます。

御嶽山駅のあたりで17時頃。臨時ダイヤが終わる頃でもあり、この時間帯を境に平日ラッシュ並みの混雑は退いていったと思います。

久が原駅にいた頃に日が沈んでゆきました。各駅ゆっくり見て行きたかったのですが、10月で日が短くなっていることもあり、あっという間に夕暮れから夜の帳が降りてきました。ここから先はちょっとかけ足になってしまい残念でした。やはり出足が遅かったでしょうか。

池上駅の構内踏切。線内で唯一です。

反対側のホームへ行くには、こうして電車が通り過ぎるのを待つことも。池上駅は橋上駅舎化が決まっているので、構内踏切を見ることができるのもあと少しです。

池上駅のホームは壁面がそのままベンチになっています。かなり年季が入っているようですが、これも姿を消すことになるかも。

蒲田駅に到着。写真をすべて載せてはいないですが、ここまで全駅で下車してきました。

五反田駅に戻ってきました。夜7時台のようす。さすがに昼間ほどの人波はひいていました。

池上線1日フリー乗車DAYをふりかえっての課題

あまりの人の多さに列車が遅れ、他社の運行情報にも遅れの情報が載ってしまった池上線のフリー乗車デー。多くの人を呼び込めた反面、反省すべき課題も浮かび上がったと思います。

沿線住民の利便性の確保を

池上線の魅力を知ってもらおうということではいいイベントだったと思いますが、普段から利用している方にとっては迷惑と思った意見もあったようで。

やはり、「無料」という言葉のインパクトはとてつもなく大きかったようです。

時間帯を限定する案もあったのかもしれませんが、東急電鉄としては「1日じゅう無料」という印象の大きさを取ったのだと思います。しかしそれならばもう少し本数を増やしてもよかったのでは。雪が谷検車区に5本ほど停まっていたのを見るとそう思わずにはいられません。素人目だと自分でも思いますが。

何はともあれ、あまりの来訪者の多さに沿線の方々へ迷惑をかけてしまったのは残念でした。フリー乗車デーに参加したひとりとしておわびいたします。申し訳ございませんでした。

今後、同じようなイベントを検討しているところ(鉄道会社に限らず、無料でのお振る舞いを検討している団体)には、他山の石として混雑予測を十分に立ててから無料開放して欲しいです。

期間限定でもいいから、池上線1日乗車券の導入を

あまり知られていないかも知れませんが、東急電鉄では全線乗り放題の1日乗車券を発売しています。

東急ワンデーオープンチケット」という名前で、価格はおとな660円です。

このきっぷの利用率がどのくらいなのかはわかりませんが、休日でもあまり使われていないのではないでしょうか。

10月9日のフリー乗車デーでは、「無料」ということですごく多くの方が池上線に訪れました。しかし660円の1日乗車券で訪れる人は少ないということは、1日乗車券が知られていないか、660円では高いということではないでしょうか。

「たかが660円」と思うかもしれませんが、660円で来ないのに無料で大量に来たということは、このあいだに厚い壁が横たわっているということです。

そこで、池上線限定の1日乗車券を、多少安い価格で発売すれば、人を呼び込めるのではないでしょうか。660円の1日乗車券は全線が対象なので、池上線に限定すればもうすこし安い金額が妥当だと思います。

参考となるのは、渋谷~自由が丘~二子玉川~渋谷間が1日乗り放題の「トライアングルチケット」で、価格は400円です。

渋谷~自由が丘~二子玉川~渋谷間のキロ程が合計20.5キロ、それに対して池上線五反田~蒲田間で10.9キロです。距離がおよそ半分なので、400円の半分の200円で……となりそうですが、五反田~蒲田間の運賃はきっぷでおとな200円(IC運賃は195円)です。さすがに通常価格となる200円で乗り放題は難しいでしょうから、池上線1日乗車券だと300円くらいが妥当ではないでしょうか。

フリー乗車デーから日を経たずに発表すれば、当日の熱気を引き継ぐこともできて知れ渡る効果は大きいと思います。やるなら早いうちです。

1日乗車券所持で特典を

池上線限定の1日乗車券を導入しても、それだけではあまり人を呼び込めないかもしれません。

今回のフリー乗車デーでは、フリー乗車券を持っていると特典を受けられるお店などが多くありました。

そこで、1日乗車券でも特典を受けられればと思います。上で書いた池上線1日乗車券でも、発売中の東急ワンデーオープンチケットでもいいので、1日乗車券所持の特典です。

もちろん、お店に負担をかけることになるので強く言うことはできませんが、90周年の期間限定でもいいので、特典があれば池上線沿線に人を呼び込むきっかけになるのではないでしょうか。せっかく来た大きな波を逃さないためにも、1日乗車券所持特典を期待します。

特定の駅への人の集中を分散させるためにも、「生活名所」をまんべんなく増やせるか

今回のフリー乗車デーでは、戸越銀座駅や洗足池駅などに多くの人が集まっていた反面、乗り降りはさほど多くない駅もありました。

やはり戸越銀座商店街や洗足池、池上本門寺は知られているので人が集まりました。加えてコロッケ無料とか、ボート無料とか、銭湯無料とかありましたし。

でも、今後「生活名所」プロジェクトを進めて沿線の魅力を知ってもらうためにも、まだ知られていない穴場的なスポットの発掘が欠かせないように思えます。

そのためにも、「生活名所」を駅で偏らないでどれだけ多く増やせるかが、池上線の魅力アップと「生活名所」プロジェクトのカギとなるのではないでしょうか。

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