JR九州が長崎で新たな観光列車を検討? いつ、どこを走る?

てつコラム路線列車

JR九州の長崎県内の区間で、新たな観光列車の運行が検討されていると一部報道がありました。

2018年度ともいわれていますが、実際に走るのか、走るとしたらどこになるのかを検討してみました。

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2018年度に長崎県内で新たな観光列車が運行?

10月10日に毎日新聞が報じました。

記事によると、JR九州が、2018年度を目標に長崎県で新たな観光列車の運行を検討としています。

運行区間は、長崎線や大村線が候補としているものの、具体的にはまだ決まっていません。

2018年度内には不明でも、新幹線長崎ルート開業の2022年度内には運転見込み十分

毎日新聞の記事では、この新たな観光列車(D&S列車※1)の目的について、22年度予定の九州新幹線長崎ルートの暫定開業を前に、長崎観光や沿線地域の活性化を図るとしています。

九州新幹線・長崎ルートは、武雄温泉~長崎間が2022年度に暫定開業する予定になっています。

過去に九州新幹線(鹿児島ルート、現在営業中の路線)が開業したときには、開業に合わせて観光列車が新設されています。

JR九州のD&S列車と九州新幹線の運転開始日
D&S列車
運転開始日
D&S列車・列車名(運転区間) 種別 九州新幹線開業区間
1989.03.11 ゆふいんの森(博多~別府) 特急
1996.03.16 いさぶろう・しんぺい※2(人吉~吉松)※3 普通※4
2004.03.13 九州横断特急(別府~阿蘇)※5 特急 新八代~鹿児島中央
はやとの風(吉松~鹿児島中央) 特急
2009.04.29 SL人吉(熊本~人吉) 快速
2009.10.10 海幸山幸(宮崎~南郷) 特急
2011.03.12 指宿のたまて箱(鹿児島中央~指宿)※6 特急 博多~新八代
2011.06.04 あそぼーい!(熊本~宮地)※7 特急
2011.10.08 A列車で行こう(熊本~三角) 特急
2015.08.08 JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」※8 ※9
2017.03.04 かわせみ やませみ(熊本~人吉) 特急
  • ※1:JR九州では観光列車を「D&S(デザイン&ストーリー)列車」と称しています
  • ※2:下り・吉松行きが「いさぶろう」、上り・人吉方面が「しんぺい」
  • ※3:2016.03.26/熊本~吉松間へ延長(1往復運転)
  • ※4:2017.03.04/熊本~人吉間特急格上げ
  • ※5:本来の運転区間は別府~熊本間、現在は熊本地震の影響による不通区間があるため区間を短縮して運転
  • ※6:実際の運行開始は2011.03.13(東日本大震災による津波警報発令により指宿枕崎線が運休したため)
  • ※7:本来の運転区間。現在は熊本地震の影響により区間を変更して運転(別府~阿蘇間など)
  • ※8:大分~日田間の“大分コース”、佐世保~長崎間の“長崎コース”などで運転
  • ※9:旅行商品(パッケージツアー)として運転される団体専用列車

九州新幹線の新八代~鹿児島中央間暫定開業時には、鹿児島中央駅で接続する「はやとの風」が、博多~新八代間が完成し全線開業した時には「指宿のたまて箱」が運転を開始しています。「あそぼーい!」も全線開業から3ヶ月近く遅れて運転開始していますが、当初は新幹線開業と同時の運転開始を予定していました。

こうして見ると、来年度に運転開始というのは、他に情報がなく現時点では何とも言えません。しかし2022年度の長崎ルートの開業時では、新幹線に接続する形で何らかの観光列車が運転される(されている)と見ていいでしょう。

運転区間は長崎本線と大村線の両方もあり得る?

長崎ルートに接続するとしたら、武雄温泉駅・諫早駅・長崎駅のいずれかになるでしょうが、諫早~長崎間は在来線と新幹線が並行するので、観光列車が接続するとしたら、武雄温泉駅か諫早駅のどちらかになります。

このうち、観光列車運行のポテンシャルとして広いのは諫早駅だと思います。

長崎本線 肥前鹿島~諫早間

1997年の長野新幹線開業以来、新幹線開業区間に並行した既存の在来線区間、いわゆる「並行在来線」区間の多くは第3セクター線に移管されてきました。

ところが長崎ルートでは、並行在来線となる長崎本線の肥前山口~諫早間はJR線で存続されることが決まっています。並行在来線区間のうち、北部の肥前山口~肥前鹿島間は、特急列車の運行も検討されているようです。しかし南部の肥前鹿島~諫早間は、現在でも特急列車は多くても普通列車は少ない区間で、通して運転される普通列車は1日9往復です。

新幹線開業後に、JR存続まで紆余曲折あったこの区間を、普通列車だけ走るまま放置するとは考えづらいです。この区間は海沿いを走り、有明海の眺めが美しく、観光列車が走るには必要な景観を持っていると考えられます。

そのため、肥前鹿島駅で特急列車に接続し、諫早駅で新幹線に接続するような、肥前鹿島~諫早間での運転となるのではないでしょうか。

大村線・佐世保線 諫早~佐世保間

一方、大村線の方も、大村湾に沈む夕日の絶景は車窓の見どころとして十分です。「或る列車」の長崎コースに選ばれていることからも、こちらも新幹線開業とともに観光列車が走る可能性があります。走るとしたら、区間は諫早~佐世保間が有力でしょうか。

そうなると諫早駅を起点に、もしかしたら長崎本線と大村線の両方に新たな観光列車が走りだすかもしれません。

まとめ

JR九州の新たな観光列車について、まとめるてみると次のようになります。

  • 2018年度運行開始は不明(可能性はゼロではない)
  • 2022年度の新幹線長崎ルート開業には運行か
  • 区間は長崎本線、または大村線、およびその両線

長崎県内には、D&S列車としては「或る列車」は走っているものの、「或る列車」は団体列車であり、かつ1年のうち期間を大分とで分けているので、常設のD&S列車は走っていません。

地域的なバランスの点からも、遅かれ早かれ何らかの新たな観光列車が走り出すことになるのではないでしょうか。

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